韓国外交部の当局者が「一つの中国」を尊重するという立場を再確認すると、中国外交部がこれを肯定的に評価するという立場をただちに示した。李在明(イ・ジェミョン)政権発足後の2度の首脳会談にもかかわらず冷え込んだ韓中関係の突破口が開くのか、微妙なシグナルが注目される。
中国外交部の林剣報道官は19日深夜12時(現地時間)ごろ、外交部のウェブサイトに声明文を掲載し、「今回、韓国外交部の担当局長がメディアに対し、完全かつ公開の場で、中韓修交共同声明での台湾関連の言及を再確認したことについて、中国はこれを肯定的に評価する」と表明した。さらに、「われわれは韓国が修交の初心を堅く守り、政治的な約束を遵守し、実際の行動によって『一つの中国』の原則を実践し、中韓関係の政治的基礎を守ることを希望し、そうすると信じている」と付け加えた。
前日、外交部東北中央アジア局のナン・ジン局長が17日にソウルで開かれた韓中局長級協議の結果を記者団に説明し、「一つの中国」を尊重する立場を再確認したが、これに中国外交部がただちに呼応したかたちだ。この協議で中国外交部の劉勁松アジア局長は、台湾問題に言及し、韓国側は1992年の韓中修交共同声明で明らかにした「大韓民国政府は中華人民共和国政府を中国の唯一の合法政府として承認し、一つの中国のみ存在し、台湾は中国の一部であるという中国の立場を尊重する」という立場を再確認し、「歴代政権を通じて、この立場に変わりはない」と明言した。
これは、最近になり韓国が電子入国申告書で「中国(台湾)」表記を削除したことに中国が反発し、台湾問題に対する立場を要求したことについて、韓国政府がこれまでの原則を再確認することで、韓中関係の推進力をふたたび高めようとする動きだとみられる。李在明政権発足後、昨年11月と今年1月の2回にわたり首脳会談が開かれ、韓中関係の全面的な回復には合意したが、最近になり中国は、関係改善を先送りしている。韓国の電子入国申告書の台湾表記変更▽中国が日本と対立するなか、韓国が日本との関係を強化していること▽韓米・韓米日の協力強化などに対する中国の不満が累積した結果だ。林報道官は18日の定例会見で、米国が日本とは拡大抑止協議(EED)を、韓国とは核協議グループ(NCG)会議を続けて開催したことについて「厳粛な憂慮」を示し、「韓国が慎重に行動し、地域の安定により多くの寄与をすることを望む」と述べた。
ひとまず、7カ月ぶりに劉勁松アジア局長が訪韓し、韓国の外交当局者と会談して、韓中関係や朝鮮半島情勢などを議論したことは、微妙な「雪解けのシグナル」ともみなせる。
しかし、中国が北朝鮮の核保有を黙認したという見方が広まっている状況や、中国が韓米日協力に強く警戒している状況など、根本的な問題をどのように解決していくかがカギだ。韓中局長級協議では、朝鮮半島問題についての意見交換もなされたが、林報道官は朝鮮半島問題には触れず、自国が敏感に受け止めている台湾問題にだけ言及した。
韓国政府は韓中局長級協議で、中国の「北朝鮮核保有黙認説」が拡散することは望ましくなく、朝鮮半島の平和と安定に寄与しないとする立場を中国側に伝えたことがわかった。これに先立ち、8日、平壌(ピョンヤン)で開かれた中国の習近平国家主席と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との首脳会談後、両国による発表から「非核化」関連の内容が完全に消え、中国が北朝鮮の核保有を事実上黙認する方向に政策を変えたという観測が続いた。
韓中関係の雪解けには、1月の韓中首脳会談の際に合意した中国の王毅外相の訪韓がいつ行われるのかが重要なシグナルになるものとみられる。今回の韓中局長級協議では、王毅外相の訪韓日程は確定しなかった。
国家安保戦略研究院のヤン・ガビョン責任研究委員は「中国外交が活発に展開されるなかでも、韓国との関係にこれといった進展がない状況のもとで、中国外交部のアジア局長が韓国を訪問し、会談に臨んだという事実は、韓中関係の雪解けにとって励みになる」と評した。また、「11月のアジア太平洋経済協力(APEC)会議の際には、韓中首脳間の交流の機会があり、9月の国連総会でも顔を合わせる可能性があるだけに、今後の韓中関係において、交渉すること、譲歩できること、譲歩してはならないことなどを綿密に整理し、相互主義に基づく実用外交の成果を出す方向で関係をリセットする努力を倍増しなければならない」と述べた。
2026/06/20 06:00
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/56492.html