[コラム]韓国の国政支持率の「危機ライン」

投稿者: | 2024年6月5日

 日本の参議院議員(4期)と官房長官を歴任した青木幹雄(1934~2023)は「内閣支持率と与党の支持率合計が50%を下回れば、政権を維持することはできない」という持論を展開したことで有名だ。これを「青木の法則」または「青木方程式」という。合計支持率は「青木率」という。

 かなりよく当たった。支持率を無視する傾向を示した森喜朗政権の場合、2001年2月の調査で青木率が47%に落ちた後、4月に退陣した。2009年の麻生太郎内閣、後に続いた民主党の鳩山由紀夫内閣、菅直人内閣、野田佳彦内閣も、青木率が50%を割ると退陣した。青木氏が官房長官を務めた小渕恵三内閣(1998年7月~2000年4月)は政権発足当初に低下した支持率を反転させた事例だ。

 日本では報道機関が支持率の調査を個別に行っており、朝日新聞は昨年12月、岸田文雄首相の青木率が「50%を下回った」と報じた。これに先立つ安倍晋三内閣と菅義偉内閣のときはなかったことが、11年ぶりに再現されたということだ。時事通信が5月中旬に実施した世論調査では「次期衆議院選挙で政権交替を期待する」という回答が43.9%に達した。

 大統領制である韓国では、1987年の直選制導入以降に弾劾された朴槿恵(パク・クネ)元大統領を除く、すべての大統領が任期を満了した。歴史が長い韓国ギャラップの大統領職務遂行評価指標によると、政権を脅かす支持率のマジノ線は20%とみられる。

 金大中(キム・デジュン)元大統領と文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は20%を下回ったことがなかった。しかし、金泳三(キム・ヨンサム)元大統領は政権5年目の第1四半期に経済危機に直面して14%に低下し、次の四半期には一桁台に落ちた。政権が変わった。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は、任期4年目の第3四半期に支持率が16%に落ち、3四半期連続で20%を下回った。残りの3四半期は24~27%に回復したが、選挙で政権が交替させられた。李明博(イ・ミョンバク)元大統領は、1年目の第2四半期に21%に落ちたが、その後は国政運営を切り替え、3年目には49%まで上昇した。朴槿恵元大統領は支持率が32%から12%に低下した後、弾劾された。

 政権開始後初めての四半期で50%から一気に墜落して29~34%に留まった尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の支持率が、4月10日の総選挙後に23~24%に落ち、5月最後の週には21%まで下がった。赤信号がくるくる回って警報が鳴り響く直前なのに、「今まで来た道を進み続ける」と叫ぶ。

2024/06/04 18:44
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/50220.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)