中国バイオ企業が退出危機…世界最大の米国市場で韓日戦

投稿者: | 2024年6月5日

2024バイオインターナショナルコンベンション(バイオUSA)が開催中の米サンディエゴコンベンションセンター。開幕初日の3日(現地時間)に最も目についたのは、例年と違って中国の企業展示館と訪問客が明確に減った点だ。パンデミック直前だった2019年、展示場の中心部に大型国家館(中国館)を設置して当局のバイオ育成意志を誇示した中国は、今年は行事場所の入り口側に小さな展示館を置いただけだ。

◆中国、世界最大バイオ市場から退出危機

 中国製薬・バイオ企業に対する米国の制裁議論が本格化すると、中国もグローバルバイオ受注戦から一歩退いて眺める姿だ。数年前からバイオUSAを訪れている韓国バイオ協会のイ・スンギュ副会長は「米中の対立が激化した昨年まではウーシーバイオロジクスなど中国の主要バイオ企業が米国法人を前に出して展示場のあちこちに見られた」とし「今年は参加企業数も中国人訪問者数も確実に減少した」と話した。

現在米国議会の表決を控えた「生物保安法」は米国連邦機関・企業と中国バイオ企業間の取引を制限する内容を盛り込んでいる。規制対象に明示されたウーシーバイオロジクス、ウーシーアップテック、BGIなどの場合、法案が通過すれば2032年から米国との取引が中断する。グローバル委託開発生産(CDMO)企業トップ3に挙げられるウーシーバイオロジクスとしては売上高の半分を占める米国の顧客を失う。

世界最大製薬・バイオ展示会のバイオUSAの主幹事であり米国内の代表的なロビー団体の米国バイオ協会(BIO)は米政府の動きに速やかに対応している。3月に米国バイオ協会のジョン・クローリー会長は生物保安法を支持する声明書を発表し、米国バイオ協会会員会社だったウーシーアップテックは脱退を決めた。

◆反射利益を狙うKバイオ

世界最大バイオ市場の米国で中国企業の退出が可視化すると、韓国企業は反射利益を狙って広報に熱を上げている。今年のバイオUSAでサムスンバイオロジクス、セルトリオン、ロッテバイオロジクス、SKバイオサイエンス、SKバイオファームなどは大規模な展示ブースを設置して観覧客を引き込んでいる。

韓国最大CDMOのサムスンバイオロジクスの場合、開幕初日に約1000人が展示空間を訪問した。ロッテバイオロジクスにも多数の海外企業関係者が訪問し、米シラキュース工場と仁川松島バイオロジクスのCDMO生産施設について問い合わせたがあったという。チャバイオテックの細胞・遺伝子治療剤(CGT) CDMO子会社マティカバイオテクノロジーの関係者は「開幕前から30以上の顧客から相談の要請があった。米国現地に生産施設があるという点を積極的に強調している」とし「生物保安法の効果を期待できそうだ」と話した。

◆期待を高める日本企業

しかし韓国企業の期待とは違い、日本企業が法案の恩恵を受ける可能性が高いという見方もある。イ副会長は「今回のバイオUSAの基調演説で米国防総省の高官がバイオ安保問題を発表するなど、バイオ産業に及ぼす地政学的な影響が大きくなっている」とし「日本が米国との親密な外交関係を活用して中国バイオ企業の空席を埋める可能性がある」と話した。

日本最大CDMO企業の富士フイルムは最近、攻撃的な投資で生産施設を大幅に拡大している。富士フイルムは4月、米ノースカロライナ州に1800億円を投じてCDMO工場を建設し、欧州・日本工場も増設する計画と明らかにした。富士フイルムは2028年までに約78万リットルの生産規模を確保する予定だが、これは来年サムスンバイオロジクスが5工場を竣工した後に備える生産能力(78万4000リットル)と似た水準だ。

今回の展示会に参加した国内バイオ企業の関係者は「CDMO事業はトラックレコード、すなわちこれまでの実績と業歴が重要」とし「富士フイルムが生産設備を備えても、すぐに後発企業に委託生産を任せるバイオ企業は多くないはず」と話した。続いて「グローバルバイオ受注戦が政治化されているのは事実」とし「韓国も政府レベルでのバイオ産業に対する支援と関心がさらに必要だ」と強調した。

2024/06/05 14:58
https://japanese.joins.com/JArticle/319547

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