韓国政治、歓喜の時間も絶望の時間も長くは続かない【コラム】

投稿者: | 2026年6月27日

 2008年、李明博(イ・ミョンバク)が大統領府入りした時のことだ。新政権発足直後の4月9日に総選挙が行われた。大統領府の出入り記者は、選挙の時はむしろ暇だ。あの時はなおさらだった。大統領選ではハンナラ党が史上最大の票差で勝利していたうえ、政権発足から1カ月ほどで行われる選挙。早々と勝負は決まった。「私もだまされ、国民もだまされた」という朴槿恵(パク・クネ)前代表の反発や「親朴連帯」の結成など、激しい公認争いはあったものの、ハンナラ党は無難に過半数(153議席、51.2%)を獲得した。自由先進党(18議席)、親朴連帯(14議席)、キム・ムソンやユ・ギジュンらの「親朴無所属連帯」(12議席)や保守系無所属(5議席)を合わせると、保守親与党の議席は202議席(67.6%)にのぼった。以前にもなく、今後もないであろう保守陣営の史上最大の勝利だった。統合民主党は民主党系無所属(9議席)を合わせても90議席に過ぎなかった。ソン・ハッキュ、チョン・ドンヨン、キム・グンテ、ハン・ミョンスクらの大統領候補級の候補が全員落選し、イ・イニョン、イム・ジョンソクらの次世代の大統領候補級の人士も落選した。「大田(テジョン)は?」でよく知られる2006年の地方選挙、2007年の大統領選、2008年の総選挙に至るまで、民主党は次々と記録的な大敗を繰り返した。ハンナラ党の議員たちはテレビに出演し、明るく笑いながら「負け方が分からない」、「勝つ政党」だと言って得意の絶頂にあった。メディアでは「ハンナラ党は選挙が得意だ」という分析が相次ぎ、評論家たちは、実用を身につけ中道の支持も得た保守政党がその後も政権を維持し続け、保守政党内での首のすげ替えが起こるだけの「日本の自民党」のようになるだろうと予測した。

 あの時から10年もたたないうちに「民主党の天下」になることを予測した人間は、1人もいなかった。しかし「朴槿恵弾劾」以降、構図は完全に変化し、2017年の大統領選、2018年の地方選挙、2020年の総選挙に至るまで、今度は逆に民主党の記録的な連戦連勝だった。イ・ヘチャン元民主党代表の「20年政権論」が登場した時も、誰もが「そうなるかもしれない」と考えた。韓国社会の主流が保守から進歩へと交代したという分析が相次いだ。

 しかし、勝者独占投票制の錯視効果があることに、今さらながら思い至る。「朴槿恵弾劾」直後の2017年の選挙では、文在寅(ムン・ジェイン)+シム・サンジョンら汎進歩陣営の得票率は47.25%で、汎保守またはそれに中道を含めた(ホン・ジュンピョ+アン・チョルス+ユ・スンミン)得票率(52.2%)をむしろ下回っていた。2022年の大統領選では、汎進歩(李在明(イ・ジェミョン)+シム・サンジョンら)が50.38%、汎保守(尹錫悦(ユン・ソクヨル)ら)が49.52%、2025年の大統領選では、汎進歩(李在明+クォン・ヨングク)が50.40%、汎保守(キム・ムンス+イ・ジュンソク)が49.49%だった。「国政壟断」や「内乱」が起きたにもかかわらず、大統領選は常に五分五分だったのだ。

 比例代表政党の得票率(地方選挙は広域議員の比例代表)を見ても、2022年の地方選挙では汎進歩47.6%、汎保守52.4%、2024年の総選挙では汎民主(祖国革新党含む)50.94%、汎保守(改革新党含む)40.28%、2026年の地方選挙では汎進歩53.34%、汎保守46.26%だった。国民の力が圧勝した2022年の地方選挙でも、政党得票率の差は5ポイントにも満たなかった。民主党が祖国革新党を含めて汎保守より73%多い議席数を獲得した2024年の総選挙でも、比例代表政党の得票率だけを見ると、汎民主陣営はわずか10ポイントほど上回ったに過ぎない。

 過去の大統領選を振り返ると、選挙前から一方の陣営の大勝が予想されていた選挙と、どちらが勝つか分からない接戦が交互に繰り返されてきた。李明博-朴槿恵、文在寅-尹錫悦、そして李在明-?の大統領選だ。偶然ではない。大勝すれば国民の期待が高まる。その期待を満足させられなければ支持層は失望し、反対陣営は結集する。政治における支持というものはKOSPI(韓国総合株価指数)と同様、高ければ高いほど敏感で危険になる。今の汎進歩陣営に「明チョン大戦」に明け暮れる余裕があるのか。

 振り返ってみると、「万年保守時代」になるかと思われた2008年の総選挙の直後に、「BSE問題」と「親朴-親李の内部対立」が重なったことで、李明博政権はすぐに危機的局面に陥った。李明博政権時代とは、それを回復する過程だった。そして初期の「中道実用」から「保守一辺倒」へと変質していった。時代の流れに逆行したのだ。政治的危機に直面すると、支持層に執着するようになる。政権の継続にはかろうじて成功したものの、李明博政権のことを成功した政権とは言わない。

 今月22日にハンギョレと市民社会団体連帯会議が開催した「6・3地方選挙評価緊急シンポジウム」で、中央大学社会学科のシン・ジヌク教授は「選挙管理委員会事態によってまたしても『ユン・アゲイン』の声が高まり、戒厳を礼賛する大衆行動が起きていること」を懸念しつつ、「与野いずれも、支持層を結集させるための刺激的な行動をやめるよう」訴えた。そして次のように付け加えた。「歓喜の時間も絶望の時間も長くは続かない」

2026/06/24 21:44
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/56540.html

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