電気自動車キャズムにも善戦した現代自動車、水素で親環境市場先取りする

投稿者: | 2024年6月10日

「キャズム(一時的需要鈍化)」にも米国で過去最大の電気自動車販売を記録した現代(ヒョンデ)自動車グループが水素電池を掲げてエコカー市場での優位に挑戦する。

現代自動車は9日、現代モービスと2月に水素燃料電池事業の譲受契約を締結したのに続き、現代モービスから関連事業を譲り受ける手続きを終えたと明らかにした。現代自動車と現代モービスで分散していた水素電池関連能力と資源を1カ所に集め、製品開発と革新にスピードを出すという計画だ。

 韓国自動車モビリティ産業協会(KAMA)によると、現代自動車と起亜(キア)は今年に入り5月までで米国で電気自動車4万8838台を売り過去の同じ期間で最高販売台数を記録した。この期間の米国市場でのシェアも11.2%で過去最高だ。昨年末に発売された大型スポーツ多目的車(SUV)「EV9」が7766台売れ成長を主導した。

これに対し水素自動車販売実績は低調だった。SNEリサーチによると、1-3月期の現代自動車の水素自動車販売台数は世界で691台となり、前年同期の2044台より66.2%減った。この期間に世界の水素自動車販売台数が3743台から2382台に減少した影響が大きいが、日本と中国の自動車メーカーより減少幅が大きい。昨年1-3月期に54.6%だった現代自動車の水素自動車シェアは今年1-3月期には29.0%に減り、36.4%のトヨタに1位を明け渡した。ハイマなど中国メーカーのシェアは34.5%に達した。業界では中国メーカーが価格競争力を掲げて市場で急成長するものとみている。

現代自動車グループは水素燃料電池の技術競争力を高め、乗用車と商用車の両方を掌握する計画だ。2025年までに水素自動車「ネクソ」の後続モデルを出すことにした。2018年の発売から7年ぶりの後続モデル発売だ。特に都市近郊に充電所を設置できる商用車市場を中心に水素電気トラック開発に力を注いでいる。5月に米ラスベガスで開かれたクリーンモビリティ見本市で新型「エクシエント水素電気トラック」を公開して大きな関心を集めた。

世界的自動車メーカーも未来市場を見据えて水素自動車開発に参入している。BMWは初めての水素電気自動車「iX5ハイドロジェン」を来年発売する予定だと明らかにした。ステランティスは来年に米国で水素トラック「ラムHD5500」を発売する予定だ。ホンダは今年米国でSUV水素自動車「CR-V e:FCEV」を公開し量産に入った。

現代自動車グループは水素自動車を超え、未来モビリティ全般に水素燃料電池を導入すると明らかにした。フォークリフト、トラム、港湾、船舶などがすべて水素エネルギー適用対象だ。現代自動車の張在勲(チャン・ジェフン)社長は「水素生態系リーダーシップ確保に向け系列会社との協力体系を強化し、水素事業基盤を拡大して行くだろう」と話した。

水素市場は生産・流通価格で競争力を確保する2030年以降に急速に拡大すると予想される。世界的コンサルティング企業のマッキンゼー・アンド・カンパニーは「2030年を基点に水素需要が急増し、2050年には1年のうち78日に相当するエネルギーが水素で賄われるだろう」と予想する。デロイトもやはり2022年に1600億ドルだった水素市場が2050年には1兆4080億ドルに急成長するとみている。

2024/06/10 08:31
https://japanese.joins.com/JArticle/319641

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