康京和(カン・ギョンファ)駐米韓国大使が異例の一時帰国を行い、韓米関係を巡るワシントン政界の懸念を政府内で共有した中、青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の金容範(キム・ヨンボム)政策室長は、両国関係に赤信号がともったとの見方について「違う」と否定した。米国の不満が積み重なり、同盟を巡る懸案が長期化していることへの外交・安全保障ラインの危機感とは対照的に、経済ラインは楽観的な見方を維持している格好だ。
金室長は、康大使が米国へ戻った19日のテレビ番組のインタビューで、康大使の一時帰国は韓米関係の悪化を象徴するものではないかとの質問に対し、「違う。それは違う」と繰り返し否定した。韓米間の最大の懸案である対米投資については、「米国も、われわれが(対米投資特別)法を制定し、対米投資公社を設立し、人材を採用して、適切な規模で進めていくことを理解している」と述べた。また、日本に比べて対米投資の進捗が遅いとの指摘については、「日本はわれわれより先に米国と合意しており、(投資のための)法も必要ない」という趣旨で反論した。続けて、「(第1号投資は)8~9月には実現しなければならないだろう」と述べた。
康大使は韓国滞在中、政府高官らと会い、米政権内の動向を伝えることに力を注いだが、その直後にこうした発言が出たことで、政府内外からは「温度差がある」との声が上がった。首脳外交など特別な日程もない中で、駐米大使が本国を訪れるのは前例がほとんどないことであり、今回の帰国自体が、対米投資などの重要懸案を担当する経済部処にも現地の緊張感を直接伝える意味合いが強かったためだ。大使が「赤信号」を伝えて米国へ戻ったその日に、青瓦台からは「問題ない」とのメッセージが発信された格好となった。
これに関連し、康大使は16日、企画財政部や産業通商資源部など経済部処の関係者まで参加範囲を広げて開かれた国家安全保障会議(NSC)常任委員会に同席した。匿名を条件に取材に応じた関係者は、「さまざまな懸案が安全保障問題にも及ぼす影響や、米国側の懸念について、経済ラインの理解を深めるという側面があった」と伝えた。
実際、外交・安全保障ラインの内外では、「韓米関係がこれほど悪かったことは、これまでほとんどない」との懸念が強まっている。クーパン問題や情報通信網法施行を巡る摩擦に加え、ソン・ヒョンボ牧師の拘束問題を巡る米国の「MAGA(Make America Great Again)」陣営の反発も重なり、韓米関係全般の負担を大きくしているとの見方が外交筋の大勢だ。また、法務部が今月1日、第1次トランプ政権で国際刑事司法担当大使を務めたモース・タン氏に対する出国停止措置を今月31日まで延長したことも、米国保守陣営の不信感を強める要因として挙げられている。
特に、最大の火種となっている対米投資についても、金室長とは正反対の見方が示されている。匿名を条件に取材に応じた外交関係者は中央日報に対し、「数ある韓米間の懸案の中で、米国側が最も重視しているのは対米投資だ」としたうえで、「しかし、現時点ではまだ具体性に欠ける段階だ」と指摘した。これまで米国側は、ホワイトハウスや国務省など複数のルートを通じて、「第1号投資を早く打ち出すべきだ」「投資の履行があまりにも遅い」との懸念を韓国側に伝えてきた。米国は今年5月、投資候補事業のリストを韓国側に提示し、判断を委ねたが、韓国政府は事業としての採算性などを検討しており、第1号案件すら決定できていない。
こうした中、金正官(キム・ジョングァン)産業通商資源部長官は23日にワシントンで開かれる韓米造船協力センターの開所式に出席するため、22日に出国する。これについては、対米投資の遅れなどの懸案を巡る米国側の不満を和らげる狙いもあるとの見方が出ている。
2026/07/20 06:55
https://japanese.joins.com/JArticle/352203