いわゆるKビューティー産業が第2次全盛期を迎えている。韓流ブームに乗って中国を中心に形成された2017年までの第1次全盛期とはかなり異なる様相が展開されている。まず主人公から違う。第1次全盛期を主導したブランドはほとんど姿を消して、創業から10年も経過していない、いわゆる「インディー」ブランドが主導している。
COSRX(コスアールエックス)、Anua(アヌア)、SKIN1004、朝鮮美女、Torriden (トリデン)、mixsoon(ミクスン)、TIRTIR(ティルティル)、魔女工場、KUNDAL(クンダル)、rom&nd(ロムアンド)などが代表的だが、このうち一部は韓国国内であまり知られていないブランドだ。これらブランドは過去のKビューティーがスキンケア中心だったのとは違い、色調化粧品、シャンプー、ローションなど個人衛生用品に製品群を拡張した。
主力市場も異なる。かつては中国に集中的に依存していたが、今回は米国と日本が中心だ。特に米国市場での成長が目を引くが、4月基準で米国が輸入する化粧品のうち韓国産の比率は22%を超えて1位になった。金額基準では約1億3800万ドル(約217億円)と、前年同月比で43%増加した。
韓国化粧品の輸出国は6月上旬基準で米国が21.9%で中国(19.6%)を初めて上回り、日本も10.6%にのぼる。消費が萎縮して自国製品が選まれている中国から市場が移っているのだ。
一方、マーケティングと流通も変わった。過去には韓流ブームに依存した認知度が高い「ビッグモデル」の活用、観光客を対象にした免税店流通などが成功要因だった。しかし現在はTik Tokやインスタグラムなどソーシャルメディアを通じたバイラルマーケティングと米国、アマゾン、コストコ、日本Qoo10とコンビニエンスストアなど大型オンライン・オフラインチャンネルに直接入店している。
こうした成功は若い創業者がビューティー市場に積極的に参入したことで可能だった。関連業界の経験が全くなくても新しいアイデアさえあれば、高マージン構造を活用して短期間に成功できるインフラがよく整っているからだ。COSMAX(コスマックス)・コルマーなど発注者ブランドによる生産(OEM)会社、SILICON2など流通・貿易会社が代表的だ。また、この創業者がソーシャルメディアという強大なマーケティングチャンネルに慣れている点も大きな力になった。
こうした流れでKビューティー業界に対する投資も急激に増えている。アモーレパシフィックのCOSRX買収、モルガン・スタンレー私募ファンドのSKINIDEA買収が代表的な事例だ。このほかにも多くのKビューティー企業に対する投資と買収が進行している。
イ・チョルミン/VIGパートナーズ代表
2024/06/18 14:50
https://japanese.joins.com/JArticle/320039