◇時代を見極める鍵、「勘」
–番組が最終的にもたらす結果は、予想していなかったということか。
「どんな分野であれ、そんなに遠い未来を予測することができるだろうか。現場にいる人たちは普通、目の前の小さな、ささいな問題を何とか解決しようとするだけだ。こうした問題解決の積み重ねが、良くも悪くも結果を生み出す。もちろん、このタイミングでこれが受け入れられるかを感じ取る『勘』は、確かに必要だ。今回の『バンド王』も、十分に機が熟したと思っている」
ここで少し、ソ・プロデューサーの「勘」について、一つ紹介したい。MBN『韓日歌王戦』は、韓国と日本の歌手が出演し、毎回さまざまな対決を繰り広げて勝敗を決める番組だった。当然、日本の歌手たちは日本語で歌い、その中には、パク・ヒョシンのヒット曲『雪の華』の原曲を歌った中島美嘉もいた。
これが驚くべきことなのは、2004年に韓国で日本の大衆文化が全面的に解禁されたにもかかわらず、それまで韓国のテレビやラジオでは、これほど堂々と、番組全編にわたって日本の歌が流れることはまったくなかったからだ。約20年にわたり、数多くの番組が日本の歌手を出演させたり、日本の歌を流したりしては、世論の抗議や批判にさらされてきた。しかし、2024年の『韓日歌王戦』では、そうした批判の声は上がらなかった。この番組を通じて、真の意味での日本の大衆文化の開放が、20年を経て実現したことになる。
–『韓日歌王戦』の制作当時、どうして「今なら日本の歌も大丈夫だろう」と判断したのか。
「2000年代初め、SBSで『真実ゲーム』という番組を制作した。『本当の韓国人は誰か』という企画だった。日本人が出演し、日本の曲を少し歌う必要があったのだが、審査担当の部署に聞くと、駄目だと言われた。法規上は問題がなくても、『国民感情』として強い抵抗があるというのだ。20年後、日本を旅行すると、街のあちこちでBLACKPINK(ブラックピンク)やIVE(アイブ)の曲が流れていた。日本では韓国の曲があふれているのに、韓国では日本の曲が一節も流れないのは、おかしいと思った。韓国の大衆文化が世界を圧倒しているのに、日本の曲は駄目?あまりにも器が小さいのではないか」
–その「勘」を生かして、後輩の企画者たちに助言するとしたら。
「韓国のコンテンツ市場は、あまりにも一つの流行に集中しすぎる。何かがヒットすると、みんなそればかり作らないと気が済まない。市場も狭いのに、みんな同じものばかり作るので、すぐに新鮮さを失い、見捨てられてしまう。人もコンテンツも同じだ。今は、多様な好みや、個性のあるコンテンツが注目される時代だ。ほかと違うものだけが、褒められ、称賛される。自分はほかと何が違うのかを考え、違うものを追い求める努力が、何よりも大切だ。『変わる』勇気を持ってほしい」
2026/10/07 10:11
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