韓国の有名バラエティ番組プロデューサー、ソ・ヘジン氏「今、日本の音楽界は『K』ブランドを求めている」(1)

投稿者: | 2026年10月7日

ソ・ヘジンプロデューサー(クレアスタジオ代表)は、SBS『スターキング』『同床異夢』、TV朝鮮『明日はミス・トロット』『明日はミスター・トロット』、MBN『韓日歌王戦』『現役歌王』と、華々しい制作実績を持つ。女性では珍しく、バラエティ番組の「スタープロデューサー」と呼ばれるようになっただけでなく、韓国の大衆音楽の流れに大きな影響を与えた人物でもある。

2019年の『明日はミス・トロット』でソン・ガインが、翌年の『明日はミスター・トロット』でイム・ヨンウンが優勝するまで、韓国で「どんな音楽が好きか」と聞かれ、堂々と「トロットだ」と答えられる人は、それほど多くなかった。それまでトロットは、「酔ったおじさんたちが職場の飲み会の後、カラオケで大声を張り上げて歌う曲」と見なされていたからだ。音楽業界でも、主流の人気歌手たちは、放送局で会ったトロット歌手から「先輩、おはようございます」とあいさつされても、さりげなく顔を背けることがあった。

 もちろん、今は雰囲気がまったく違う。現在のトロットは、アイドル中心のK-POPや、ヒップホップ、ロックといった特定のジャンルを除けば、「韓国の30代以上の大人が聴く音楽」の代名詞になった。本来のトロットだけでなく、バラードもダンスもロックも、その中に溶け込んでいる。その立役者である若いトロット歌手たちは、ライブや音楽配信で圧倒的な成果を上げている。

そして、こうした変化をもたらしたソ・ヘジンプロデューサーは今、トロットを離れ、日本と共同で韓日のバンドオーディション番組を準備している。この意外な転換には、どんな意味があるのか。直接会って聞いた。

◇トロットからバンド音楽のオーディションへ

–新番組について説明してほしい。
「タイトルは『バンド王』。韓国と日本のバンドシーンで活動する若いアーティストたちが、新たなバンドを結成する番組だ。11月に収録し、2027年1月に放送する予定だ」

–参加資格は。
「バンド活動をしている個人、チームのどちらからも応募を受け付けている。これまでに約150人を選んだ。募集は10月まで続く」

–『韓日歌王戦』に続く、日本との共同プロジェクトである点が目を引く。
「『韓日歌王戦』を制作する中で、日本のテレビ、OTT、ライブの各プラットフォームと協力し、コンテンツの共同制作が十分に可能だと分かった。市場規模や音楽消費の多様性などを考えると、日本は韓国よりはるかに大きな市場だ。特にバンド音楽の水準やアーティストの育成では、韓国とは次元の違うノウハウを持っている。『韓日歌王戦』ではSPC(制作専門会社の形態)で事業を進めたが、『バンド王』は日本のエンターテインメント企業とJV(合弁会社)を設立し、本格的なアーティスト育成に乗り出すための最初の企画だ」

–バンド音楽の市場を考えると、日本は韓国よりはるかに規模が大きい。その日本のバンド音楽界が、あえて韓国と共同プロジェクトを進める理由は。
「韓国のバンド市場と比べると、アーティストの数も、ライブの売り上げや規模も、10倍ほどはあるだろう。ただ、今の日本のバンド音楽界は、韓国市場を世界進出への足掛かりと見ている。特に『韓日歌王戦』で竹中雄大が優勝したことをきっかけに、日本の音楽界は韓国市場の可能性を改めて認識した。今や世界進出を夢見るなら、『K』ブランドとの協力は欠かせないという認識が、しっかり根付いているようだ。こうした事情を知り、今、アンダーグラウンドで成長している韓国のミュージシャンを日本市場に紹介し、日本のミュージシャンを韓国市場につなげれば、良い展開が生まれるのではないかと考え、始めることにした」

◇今、「J」は「K」を求めている

–日本のバンドミュージシャンも、Kコンテンツの波に乗りたいと考えているのか。

「そのとおりだ。東南アジアであれ、さらに米州や欧州であれ、今は『K』という市場を経由することで、世界に進出するのがはるかに容易になる。韓国のバンドやミュージシャンにとっても、良い機会になるだろう」

–『バンド王』は、どこで放送・配信されるのか。

「韓国ではSBSとネットフリックス、日本ではBSフジ、フジテレビと協議している。日本国内のOTTやストリーミングについては協議中だ」

–これまでの番組と変わる点は。

「音楽以外の部分で感情に訴える演出を、できるだけ控えようと思っている。出演者の個人的な背景が視聴者の心をつかむことも少なくなかったが、その後、多くのオーディション番組で、家族の闘病など似たようなエピソードが繰り返されるのを見て、まず自分自身が反省するようになった。今回は徹底して、実力による勝負に焦点を当てたいと思っている」

–トロットのオーディション番組シリーズで、韓国の大衆音楽の流れを変えた。今回の『バンド王』は、どんな変化をもたらすのか。

「実は『明日はミス・トロット』は、会社員として『給料に見合う仕事をしよう』という気持ちで企画したもので、何か壮大な文化的目標を考えていたわけではない(笑い)。放送局の広告売り上げが急落していた時期に、コンテンツをどんな関連事業につなげれば、広告以外の売り上げや利益を生み出せるかを考えただけだ。それが、それまで脚光を浴びていなかったトロットというジャンルの実力あるアーティストたちとかみ合い、爆発的な力を発揮した。私たちがしたのは、すでに『機が熟していた』市場を、ちょうど良いタイミングで番組に取り込んだこと。それ以上でも、それ以下でもなかった」

2026/10/07 10:09
https://japanese.joins.com/JArticle/355978

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