最近5年間に兵役特例を受けた体育要員の10人中8人以上がアジア大会の金メダリストであることが、6日までに分かった。これに伴い、アジア圏の選手が参加するアジア大会の金メダル受賞者に兵役特例を与えることが適切なのかを巡り、論争が拡大している。4日に閉幕した愛知・名古屋アジア大会で金メダルを獲得したサッカー韓国代表の一部選手が、兵役免除を目的に大会に出場し、兵役義務をあざけるかのような言動をして世論の怒りを買ったことも、論争に火を付けた。
文化体育観光部(省に相当)が保守系最大野党「国民の力」の趙恩禧(チョ・ウンヒ)議員室に提出した資料によると、2022年から今年8月までに兵役特例の体育要員に編入された80人のうち、アジア大会の金メダル獲得で兵役特例を受けた選手は65人(81.3%)だった。五輪メダルで兵役特例を受けた選手は15人だった。
韓国政府は、芸術・体育分野で国威を発揚した人物に兵役特例を与える芸術・体育要員制度を1973年に導入した。しかし、韓国がアジアのトップ圏に上った種目が増える中、アジア大会の金メダルを兵役特例の対象とするのは時代に合わないとの指摘が出ている。五輪に比べ競争の難度が低いアジア大会の金メダリストに、兵役免除に近い恩恵を与えるのは行き過ぎだというわけだ。最近、兵役資源が急減する状況で、53年前につくられた芸術・体育要員制度の廃止を検討すべきだとの声も高まっている。韓国国防部(省に相当)も同日、「芸術・体育要員を含む補充役の縮小・廃止を推進する計画だ」と明かした。
■兵役特例選手の45%、服務規定違反で「警告」
韓国は現在、体育分野では五輪3位以上またはアジア大会1位の入賞者に兵役特例を与えている。芸術分野では、主要国際音楽・舞踊コンクールの1位入賞者などが兵役特例の対象だ。これらの人々は基礎軍事訓練を受けた後、34カ月間、自分の専門分野で活動しながら脆弱階層や未就学児・青少年などのための奉仕活動544時間を満たせば兵役義務を終える。
今回のアジア大会で韓国は、サッカー、野球などにプロ選手を大挙出場させた。サッカー代表は23歳以下の選手で構成し、欧州でプレーする選手まで合流させた。一方、銀メダルを獲得した日本は21歳以下の選手で代表チームを構成した。野球でも韓国はプロ野球(KBOリーグ)の選手が出場して金メダルを獲得したが、決勝で対戦した日本はアマチュアの社会人野球の選手たちだった。
このため、アジア大会の金メダルに兵役特例を与えるのは時代に合わないとの指摘が出ている。ある体育界関係者は「プロ選手がアマチュア選手と競って金メダルを取ったという理由で兵役特例を与えるのは、公正を重視する時代の空気に合わない」と語った。国力が今より弱かった1970年代に「国威発揚」を名分に導入した制度を、先進国になった今も維持する必要があるのかということだ。
体育要員として兵役特例を受けた人のうち、服務規定に違反して警告を受けた事例も、アジア大会の金メダル出身者が多かった。2022年以降、服務規定違反で警告を受けた体育要員は36人(45%)で、このうち当局の許可を得ずに広告契約を結ぶなど「無許可兼職」で警告を受けた人は21人だった。ところが、この21人のうち17人がアジア大会の金メダルで兵役特例を受けた選手だった。2022年杭州アジア大会の野球金メダリストであるA選手は、スポーツ用品メーカーとスポンサー契約を結ぶ際、事前に兼職許可を受けていたが、許可期間が終わった後もスポンサー支援を受け続け、2カ月半が過ぎてからようやく更新を申請した。同じ大会でゴルフの金メダルを獲得したB選手は、当局の許可なしに金融会社、スポーツ用品メーカーとスポンサー契約を結び、後になって「遡及して許可してほしい」と求めていたことが分かった。しかし、営利目的で兼職した場合、降等・減俸などの懲戒を受ける現役兵とは異なり、体育要員は無許可兼職が発覚しても服務期間が5日延びる程度だ。
芸術・体育分野にだけ兵役特例を与えるのは公平性に合わないとの指摘もある。かつては韓国人が世界の舞台でトップ級の成果を上げる分野はまれだった。しかし今は、芸術・体育分野以外にも韓国人が世界トップ級の成果を上げる分野が多くなった。大衆文化分野で世界的な人気を集めたアイドルグループ、防弾少年団(BTS)が代表的だ。BTSのメンバーは全員、現役兵または社会服務要員として兵役を終えた。20代・30代の若者たちはオンライン上で「BTSも軍隊に行くのに、アマチュア選手に勝って兵役免除を受けるのは果たして公正なのか」と異議を提起している。
一部では「大会入賞を基準に一律に兵役特例を与えるのではなく、個人ごとに成果の価値を評価し、特例を限定的に与えるべきだ」と主張している。例えばサッカー、野球など団体種目でチームへの貢献度が低い控え選手には、金メダルを取っても兵役特例を与えないようにしよう―というものだ。しかし、この場合、客観的な基準を設けることは現実的に容易ではない。継続的に活躍した選手に恩恵を与える「マイレージ」制度、30代後半まで活動した後に兵役に就く制度など、さまざまな代案が提示されたが、議論は進んでいない。このため、芸術・体育要員制度をいっそ廃止すべきだとの主張が力を得ている。趙恩禧議員は「兵役特例に関する納得できる基準がなければ、兵役義務の神聖さに対する国民的信頼を弱めることになる」とし、「特例制度を廃止する方策を検討すべきだ」と述べた。
2026/10/07 09:54
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