最近、中国の韓日中首脳会談出席や中朝関係の異常気流などで韓中関係が好転する兆候がそこかしこで見られる。このような状況でフーバオの冷めない人気は両国に思いがけない負担として作用している。接客や虐待など疑惑も相次いで提起されてフーバオの帰還を求める声が今も絶えないためだ。これに対して韓国政府の対中外交力は試験台に載せられ、中国政府も相当な圧迫を受けている。70余日ぶりにフーバオを大衆に公開した理由もさまざまな論争を落ち着かせるための中国側の努力と解釈される。日本のシャンシャンは返還後8カ月後に公開された。
先月、洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱(テグ)市長と中国の邢海明駐韓大使の面会以降、大衆の期待はさらに大きくなった。先月31日、洪市長は2027年に完工予定の大邱大公園にパンダ1組を送ってほしいと要請したが、この時フーバオが来るように希望する人々が少なくないためだ。邢大使も中央政府と積極的に協力するという考えを表明した。韓米日の密着を意識して韓国を引き寄せようとする中国の動きが大きくなる中で、韓国版世紀の「パンダ外交」を期待する声も出ている。
ただし現時点でフーバオが韓国に戻って来る可能性は低そうだ。現在、米国行きが確定したパンダを見ると、「子孫は送ることはできても、帰還したパンダを同じ国にもう一度送ることはない」という中国の原則が明らかなためだ。サンディエゴに貸与されるユンチュアンは2019年に返還されたバイユン(白雲、33)とガオガオ(高高、34)の娘チェンチェン(珍珍、17)が産んだ子だ。ワシントンへ送られるバオリも昨年返還されたテンテンとメイシャンの娘バオバオ(宝宝、10)が産んだ子で、バオバオとシャオチージーは年齢が大きく離れているきょうだいだ。中国政府はグローバルパンダ人気順位1位であり、米国人が熱狂するシャオチージーも現時点で米国に送り返す計画はないと明らかにした。
中国官営「グローバル・タイムズ(Global Times)も韓国一部からあがっているフーバオ返還要求に対して線を引いた。成都にあるジャイアントパンダ非政府組織(NGO)「約未来(YueWeiLai)」の趙松生代表は「パンダを戻すことはないだろう」と4日、同メディアに明らかにした。また、趙代表は「韓国インターネット上でフーバオの状況を心配しているのは明らかに良いことで、彼らがパンダをどれだけ愛しているのかを見せている」としつつも「これは愛から始まった誤解で、両国はパンダを世話するやり方が違うだけ」と話した。フーバオが韓国に帰ってくる可能性はほぼないと解釈することができるが、米国の事例を見ると、後日フーバオの子孫が韓国に送られる可能性は相当あるとみられる。
2024/06/21 15:04
https://japanese.joins.com/JArticle/320212