米国にはパンダ2+1組が貸与…フーバオは韓国に戻って来れないのだろうか(1)

投稿者: | 2024年6月21日

韓国で生まれて今年4月に中国に返還されたジャイアントパンダの「フーバオ(福宝)」が適応期間を終えて12日にいよいよ大衆に公開された。虐待・接客疑惑などの論争を意識した中国当局の正面突破という評価も聞かれるほか、韓国国内ではフーバオ帰還を求める請願が絶えない。先月、中国が約束したパンダ2組の他に追加で1組をワシントンDCに送るという米中間「パンダ外交」本格化のニュースに韓国まで揺れた理由だ。中国に対して総攻勢をかける中にもパンダ6頭を確保した米国に対し、韓国の現状はどうか。

最近、米国はパンダが戻って来るというニュースに対し、歓迎してこれを楽しみに待つ雰囲気だ。今年だけで合計3組のパンダが米国にやってくることが確定したためだ。今年4月に契約が結ばれたパンダは2組だったが、先月29日にファーストレディのジル夫人が映像を通じてワシントンDCに追加でパンダ1組がやってくることになったというニュースを電撃発表した。

 同日、中国の謝峰駐米大使もワシントン・スミソニアン国立動物園で開かれた記者会見で新しい米中間パンダ保護協力の始まりを知らせた。緻密に調整された発表時点と融和的なメッセージ、象徴的な場所…典型的な「パンダ外交」の現場だった。スミソニアン国立動物園は1972年パンダが初めてやってきたところで、米中緊張緩和(デタント)の象徴になったところだ。

米国サンディエゴ動物園とワシントン・スミソニアン国立動物園に向かうパンダのオスメス2組はすでに確定した。早ければ今年夏にもサンディエゴに到着するパンダはオスのユンチュアン(雲川、5)とメスのシンバオ(鑫宝、4)で、オスのバオリ(宝力、3)とメスのチンバオ(青宝、3)は年末ごろワシントンに到着する予定だ。昨年11月に中国の習近平国家主席が訪問して直接パンダレンタルを再始動させたサンフランシスコも4月末にパンダのレンタル契約を確定して来年にパンダ1組を迎える準備で忙しい。

米国外交界ではパンダによって温かい雰囲気が演出された反面、米国政界にはこれ以上ないほど冷たい雰囲気が流れている。米国大統領選挙を5カ月後に控えた大統領候補は競争的に中国圧迫政策と公約を出して、米議会も中国牽制(けんせい)法案を次々と出しているためだ。韓国貿易協会国際貿易通商研究院の報告書によると、昨年米連邦議会は9カ月間376件の中国関連の法案を発議した。

米国経済・技術分野の雰囲気はもっと冷たい。先月、通商代表部(USTR)は中国製電気自動車(EV)に対する関税を4倍引き上げて100%にすると予告した。先端半導体技術に対する中国の接近も徹底的に遮断している。中国に対する半導体装備輸出制限措置はもちろん、今では人工知能(AI)に使われる半導体である「Gate All Around(GAA)」と「高帯域幅メモリー(HBM)」技術に対する追加規制を検討中だと米政府が11日、明らかにした。それこそ中国に対する総攻勢が繰り広げられている様相だ。

再開された「パンダ外交」には中国の焦りが透けて見える。米国の全方向的な攻勢が漸増される渦中に首都のワシントンにパンダを再び送ることが代表的だ。昨年11月、ワシントンで23年以上愛されたオスのテンテン(添添、27)とメスのメイシャン(米香、27)、そしてコロナ禍当時に生まれて米国版フーバオと呼ばれたシャオチージー(小奇跡、4)まで中国にすべて返還されたが、最近は当時流行した「懲罰的パンダ外交」という言葉が面目を失うほどだ。

パンダは中国との外交関係を診断する一つの尺度に挙げられる。一国が貸与を受けるパンダ数がすべてのことを物語っているわけではないが、その国の対中外交力をある程度推し量ることができる尺度であることは間違いない。韓米日の3国を単純比較してみても違いと変化が分かる。

一時パンダを15頭保有していた米国は残っていた4頭をすべて返還する危機から最近6頭のレンタルが確定した。アトランタ動物園の4頭のパンダは年末に返還されるため、今の時点を基準として米国はパンダ10頭をレンタルしている格好だ。日本も昨年フーバオと同じくらい大きな人気を集めたシャンシャン(香香、7)を中国に返還したが、依然として7頭のパンダが残っている。現在、韓国にはアイバオ(愛宝、10)、ローバオ(楽宝、10)と双子の娘フイバオ(輝宝、1)、ルイバオ(睿宝、1)の計4頭が飼育されている。

貸与したパンダ数で順位を羅列してみると、1位米国(10)、2位日本(7)、3位ベルギー(5)、4位韓国(4)、残りはフランス、ドイツ、シンガポールなど各2頭で共同5位だ。英国とマレーシアはパンダが1頭も残っていない。インドにはパンダを貸与したことがない。偶然にも、英国は香港の国家保安法、サイバーセキュリティ、中国スパイなどのイシューで中国と関係が悪化し、マレーシアは南シナ海領有権問題で中国と対立している。インドは中国と国境を巡ってたびたび紛争が起きている国だ。

2024/06/21 15:03
https://japanese.joins.com/JArticle/320211

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