【独占インタビュー】崔泰源 SKグループ会長兼大韓商工会議所会長「韓国と日本が手を結べばレバレッジが生まれる……米国も中国も“ラブコール”を送るはず」

投稿者: | 2026年10月20日

【プロフィール】 崔泰源(チェ・テウォン) 1960年生まれ。高麗大学物理学科卒業、米シカゴ大学大学院経済学修士・博士課程修了。1998年にSK会長就任。現在はSK(株)会長、崔鍾賢学術院理事長、大韓商工会議所会長、韓日少子化対策交流委員会の韓国側共同代表。

「韓国と日本の連携は、政府、社会、企業、学界がみなで知恵を出し合い、継続的に議論していかなければなりません。どの水準まで統合するのかについては社会的コンセンサスが必要ですし、両国の状況と合意の度合いに応じて、段階的に協力を広げていけるはずです」

崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長兼大韓商工会議所(以下、大韓商議)会長は、よどみがなかった。近ごろ、韓国社会に「韓日経済連携」という話題を投げかけ続けている人物である。構想を抱くに至ったきっかけは、遠い昔にさかのぼる。崔会長は2002年、ソウル大学工学部の技術政策大学院で、修士課程と博士課程の学生を相手に、ワークショップ形式の講義を1年間受け持った。「学生に何を教えるべきか」と悩んだ末、「大韓民国が未来へ進むには、どのように新しくデザインされなければならないか」をテーマに据え、そこで導き出した解の一つが「日本との連携」だった。それから25年がたった今、彼は極めて具体的に、そして確信に満ちた声で、韓国と日本が手を携えて新たな未来を切り開こうと訴える。

日本との連携を訴える理由

10月13日、SKグループ本社のあるソウル市鍾路区瑞麟洞のSKビル35階で、崔泰源会長に会った。

「韓国経済のオリジナルモデルは日本です。日本に追いつくために、輸出中心、重化学工業の育成などを進めたのです。多様な商品を生産して世界市場に進出できたのは、WTO体制の下で、予測可能な経済秩序とルールが存在したからです。しかし今、かつてのような秩序が続くのは難しくなりました。日本から取り入れた経済システムが、いつの間にか70年を経ました。この先も機能するのかどうかを考えなければならない局面に来ています。新たな模索とは何かを考えたとき、その一つが日本との協力だったのです」

――障害となるのは反日、嫌韓でしょう。乗り越えられるとお考えですか。

「相手国に対する好感度は、かなり上がってきました。歴史問題はいつか解決しなければならない状況です。これまで努力してこなかったわけではありませんが、双方の立場は少し異なります。実際、今になって残っている問題は、お互いにまだ親しくないために生じているものですから、十分に乗り越えられるのではないでしょうか。どの国も隣国とは仲が悪かったものです。フランス、ドイツ、イタリア、それに米国とメキシコは、どうやって共存しているでしょう。それに比べれば、韓国と日本は決して近づけない間柄ではありません。彼らも生き残るために、必要だから力を合わせているのです」

――必要に迫られての連携だと。

「『あなたが好きだから何かをする』というのは、グローバル経済では通用しません。実益を見極めたうえでやるのです。政治も同じです。嫌韓が政治的に票になるなら嫌韓を前面に出しますが、多くの人が『もうそうではない』と言い、反日や嫌韓に触れるとかえって票が減るなら、もう口にしなくなるでしょう。もちろん、それでも反対する人はいるはずです。世の中に100%というものはありませんから(笑)。反対はあるが、それを乗り越えて進むのか。それを議論すべき時期が来たということです」

「韓国との協力は必須」(十倉雅和(とくら・まさかず)前経団連会長)

崔泰源会長は、6月に開かれた「日経フォーラム」(第31回「アジアの未来」)の話を切り出した。日本でのフォーラムは通常、「アジアの未来」などをテーマに1日ほどで行われるが、今回は本会合の前日に特別セッションが設けられ、そこで韓日経済連携が議論されたという。当時の対談での崔会長の発言である。

私は2年前の日経フォーラムで、韓国と日本は今や、経済協力を選択ではなく必須として進めるべき状況に置かれている、と申し上げました。そして、その経済協力の究極の目標は「経済共同体」へと発展することだと考えています。経済共同体とは何かと言えば、一種のEUのようなモデルを思い浮かべていただければよいでしょう。強調したいのは、世界情勢が大きく変化し、韓国と日本が今や共通の挑戦と課題に直面しているという点です。韓国と日本の成長を可能にした重要な背景の一つは、グローバルな自由貿易体制でした。多様な商品を生産して世界市場に輸出できたのは、WTO体制の下で、予測可能な経済秩序とルールが存在したからです。しかし今、かつてのような秩序が続くのは難しくなりました。米中間の戦略的競争は、単なる経済的対立を超えて覇権争いの性格を帯びており、こうした競争と対立は、今後もかなり長い期間続く可能性が高いのです。

「この日の行事を見て驚いたのは、本会合よりもむしろ特別セッションへの関心のほうが高かったことです。それは、日本の中でも『もう逃げ道はない』として、韓国との経済連携を理解しているということです。韓国と手を組んで進むことが必要だ、と。ほとんど『必須』とまで言う人たちもいます」

――現場で肌で感じられたわけですね。

「十倉雅和(とくら・まさかず)前経団連会長、岸田文雄前首相らが、必須だとおっしゃいます。どのような形であれ、韓国と手を組まなければならない、と。日本を代表する半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンは、韓国の半導体が好調であるほど会社が発展します。韓国の半導体と日本の素材・部品・装置の企業が一緒に動くなかで、力を合わせて有機的に発展する必要性が生じたのです。しかも、日本経済は依然として韓国の2倍以上の規模があります。韓国が得られる利益はまだ多い、ということです」

――今回、「韓日経済連携」の別冊付録をつくってみたところ、半導体とエネルギーは、特に協力できる余地が大きいと分かりました。

「規模で見れば、エネルギーが最も協力に値する対象です。両国がエネルギーを輸入する額は、年間1300億ドルほどになります。日本は経済規模が韓国の2倍以上ですが、化石燃料の輸入規模は日本より韓国のほうが大きい。日本は内需用に買いますが、韓国は輸入して再加工し、輸出するからです。原油、ガス、石炭など分野ごとに規模は異なりますが、共同購入、共同備蓄、共同使用をすれば、コストを10%ほど下げられると見ています。

これ以外にも、たくさんあります。韓国も日本も急速に高齢化が進んでおり、今後、医療・福祉の費用は増え続けるでしょう。医療インフラやシステムのすべてを各国が独自に構築すれば、莫大な費用がかかります。もし医療システムを共同で使ったらどうでしょう。韓国人が日本で診療を受け、逆に日本人が韓国で診療を受けられるなら、老年病やケアシステムの助けになると思います。高齢化が進むなかで、ヘルスケア市場は限りなく大きくなりうると考えます。もっと話しましょうか?」

「韓日をまとめて巡る観光商品ができたら」

インタビューの場に同席した人たちが笑うと、崔泰源会長は話を続けた。事前に質問書を渡していなかったにもかかわらず、崔会長は淀みがなかった。「韓日経済連携について、あまりに細かくご存じでは」と水を向けると、「10を超える分野について、きちんと研究した」と答えた。

「観光も面白いんですよ。日本に行く人は日本だけ、韓国に来る人は韓国だけを見て帰ります。韓国と日本を同時に見て回る観光商品そのものがありません。欧州に行くとき、一つの国だけを見て帰りますか。私たちは十分につくれます。共同市場として動けば、こういうものは当然生まれます。

ベンチャーもそうです。双方のベンチャー市場が別々に動いているため、まったくシナジーが出ません。そうではなく、両方の市場を統合する商品をつくってみようということです。今はみなコンピューターで仕事をするので、どこでも働けます。労働市場の境界がなくなり、韓国企業が日本人を気軽に採用して働かせることもできます。ベンチャーをきちんとやるには、市場そのものが大きくなければなりません。市場の規模が非常に重要なのです。韓国と日本の市場を合わせれば、規模そのものが大きくなります。成功の対価とその期待値は、単一市場よりはるかに大きくなります。経済には『乗数効果』というものがありますね。お金が一度使われて終わりではなく、多くの人の手を経ることで、経済効果が大きくなるというものです。

若者たちには、この市場で何かをやろうと考えてほしい。『親より豊かになるのは難しい』ではなく、むしろ『自分はもっと豊かになれる』と思うはずです」

――韓国と日本は現在、低成長の状態ではありませんか。

「米国や中国などの巨大経済圏との規模の格差が存在しますし、彼らの成熟のスピードは韓国や日本より速い。時間がたつほど、私たちの相対的な影響力は低下せざるを得ません。経済規模が小さいというのは、単なる数字の問題ではありません。グローバルな経済秩序と安全保障環境における私たちの位置、影響力に直結する問題です」

――こうした話を日本の経営者にすると、反応はいかがですか。

「日本の方々は『それはいい考えですね』とおっしゃるのですが、最初のうちは動いてくれませんでした(笑)。ところが、少しずつ雰囲気が変わってきました。米中対立が深まり、日中の対立も際立つようになって、空気が変わったのです。日本は米国との関係が良好だと思っていたのに、最近はそうしたシグナルも少し減っています。そこで『自分の安全は自分でつくらなければならない』という自覚が強まっているのではないでしょうか。韓国と日本は、すでに十分に大きな規模を持つ先進国です。しかし同時に、私たちよりはるかに巨大で、急速に成長する国々と競争しなければなりません。この環境で、従来のやり方の協力を少し広げる程度では、十分ではありません」

2026/10/20 11:35
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2026/10/20/2026102080062.html

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