米国が中国の軍事力拡張に対抗し、第1列島線(九州南端から台湾、フィリピンを結ぶ防衛線)に長距離ミサイルや弾薬などの軍事資源を前方配備する方針を明らかにする中、中国の空母「遼寧」がこの防衛線の外側で長距離訓練に乗り出した。米国が中国軍の太平洋進出を阻止するため防衛網を強化する一方、中国はそれを越えて作戦を遂行できる能力を誇示している格好だ。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は25日、空母「遼寧」打撃群が14日に沖縄と宮古島の間にある海峡を通過して太平洋に進入した後、フィリピンの西側と南側を大きく回り、北東へ進んでいると報じた。フィリピンのBNC放送によると、同打撃群は23日、フィリピン最南端のバラット(Balut)島から約46キロ離れた海域で北東進している様子が確認された。「遼寧」と、中国海軍の主力である055型大型駆逐艦(南昌級駆逐艦/レンハイ型)2隻、052D型駆逐艦(昆明級駆逐艦/旅洋III型)1隻の計4隻で構成される同打撃群は、今年5-6月にも南シナ海と西太平洋で40日余り訓練を行った。
「遼寧」が向かっているフィリピン海は、台湾有事の際に米国と日本の増援戦力が接近できる核心海域だ。中国空母がここで長期間作戦を展開する能力を備えれば、米日艦隊の接近や補給路を脅かす可能性がある。実際、フィリピン海では米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」が22日、日本・オーストラリア・カナダ・フランスの軍艦と共に作戦を行った。これらの艦艇は19日から29日にかけて実施される米日共同訓練「キーン・ソード」に参加している。
今回の中国側の動きは、米陸軍が7日に発表した新たな作戦指針「HOW THE ARMY FIGHT」で、インド太平洋の核心防衛線である第1列島線に軍事資源を集中配備する「総戦力投射」を行うと公表した直後に明らかになった。「遼寧」空母打撃群が通過した海峡は、第1列島線の要衝に位置している。ここを通過したことは、中国軍が第1列島線を突破し、その背後にいる米軍を攻撃できることを露骨に誇示したものだとの見方も出ている。中国海軍は、今回の訓練について年間計画に基づく定例訓練だとの立場を示している。
2026/10/27 15:00
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