「レアアースは国の所有」…中国、レアアース管理条例10月に施行

投稿者: | 2024年7月1日

中国の李強首相が先月29日、レアアース資源は国の所有であり、どの組織や個人もレアアース資源を占有・破壊できないと規定した「レアアース管理条例」に署名した。世界最大のレアアース生産・埋蔵国である中国がレアアースに対する国の確固とした統制の意志を法制化した形だ。条例は10月1日から施行されると党機関紙の人民日報が先月30日に報道した。

条例は、レアアース管理は党と国の路線と方針、政策を貫徹しなければならないと規定し、資源の保護と開発を対等に重視することを明示した。32条で構成された条例は、「レアアース管理が安全を保障し、科学技術を革新し、グリーン発展などの原則を順守しなければならない」と強調した。

 レアアースは多様な先端技術応用分野に必須の17個の元素グループを称する。米地質調査局(USGS)によると2023年に中国のレアアース生産量は24万トンで世界の70%を占め、17種のレアアース元素埋蔵量1億1000万トンのうち中国の埋蔵量が40%を占める。

条例はまた、レアアース採掘と製錬、分離に対して「総量調節」を実施・統制するよう規定した。主管官庁である工業情報化部と関連官庁がレアアースの採掘、製錬と分離、金属製錬、総合利用、製品流通、輸出入などを徹底して監督・点検するよう明示した。

違法レアアース採掘、製錬と分離など違法行為に厳重な処罰も予告した。違法所得の5倍以上10倍以下の罰金を科すことを規定した。

ウォール・ストリート・ジャーナルは「最近米国のF35戦闘機、ミサイル誘導システム、プレデタードローン、原子力潜水艦などの戦争機械はいずれも小さな金属部品であるレアアース磁石に依存している。中国の世界市場シェアは92%に達する」と報道した。

条例が公布された直後、中国司法部と工業情報化部は共同で報道資料を出し、これまで違法採掘や違法製錬と分離、割当量超過生産と違法取引などを扱う手段がなく、処罰水準が弱かったと明らかにした。このためレアアース資源保護と産業発展を法的に保護する特別行政法規の制定が必要だったということだ。

中国は2023年8月から半導体と電気自動車に広く使われるガリウムとゲルマニウムの輸出を統制した。2023年12月にはレアアース関連技術を中国輸出禁止技術目録に含めた。米防衛産業事業者の台湾への武器販売を制裁するためにレアアース取得も制限した。

ただ中国がレアアースを米中戦略競争で武器化すると、米国と欧州連合(EU)、日本などは中国への依存度を減らすため供給網多角化に出た。これに中国のレアアース企業が打撃を受け、昨年は軒並み赤字に転落したと台湾の通信社、中央社は指摘した。

2024/07/01 10:14
https://japanese.joins.com/JArticle/320529

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