『星に願いを』から『ラブリー・ランナー』まで、普通の女性が男性トップスターと恋愛する設定はドラマでは定番だ。「自分のスター」との恋愛を夢見るファンたちのファンタジーを満たし、テレビドラマの主な視聴者である女性たちの心を揺さぶり、多くの人気を得た。2022年に日本でも、アイドルグループのメンバーと恋愛する女性主人公の姿に視聴者たちはときめいた。日本のTBSの火曜ドラマ枠で放映された全10話の『君の花になる』だ。韓国ではワッチャ、ティビン、ウェーブ、ネットフリックスのいずれでも視聴できる。
『君の花になる』は、高校教師出身の仲町あす花(本田翼)が7人組アイドルグループ「8LOOM」の寮の管理者の仕事をしながら繰り広げられる話だ。あす花は8LOOMのメンバーの佐神弾(高橋文哉)とは、高校のときの教え子としてすでに面識があった。弾は当時、あす花の応援によって歌手の夢を見続け、アイドルになった。しかし、現在の8LOOMは人気がなく、解散の危機にある。アイドルと寮の管理人として再会した2人は、互いに肯定的な影響を与えあいながら、仕事も愛も前進していく。
教訓的なメッセージを強調し、軽い事件が繰り返される日本ドラマの特徴が、この作品にもみられる。そのため少々幼稚だが、変わった日本のアイドルシステムを間接的に体験できるという点では、かなり興味深い。防弾少年団(BTS)やBLACKPINKなどを有する韓国では、日本アイドルの実力に対する評価は高くない。アイドルに対する認識自体が違う。完ぺきに準備された後にデビューする韓国アイドルと違い、日本では韓国の練習生を意味するジュニアの時から活動する。ダンスも歌も不十分な彼らの成長を見守り、ファンたちは「自分の子ども」を育てるような思いを感じて応援する。
『君の花になる』で8LOOMはK-POPのシステムに従う。メンバーが寮生活をすることからしてそうだ。「8LOOMです」と言ってグループを紹介するゼスチャーがあり、8LOOMYというファングループもある。SMAPや嵐などの日本を代表するアイドルグループがよく着たきらびやかな衣装とは違い、ファッションも洗練されている、ダンスも日本より韓国アイドルに近い。
日本国内の韓国アイドルグループの人気が8LOOMにも影響を与えたようだ。作中で久留島巧役を演じるNOAは、BIGBANGのような歌手になろうとして、YGエンターテインメントで12歳から6年間、練習生生活を過ごしたりもした。小野寺宝役の山下幸輝も韓国アイドルを志望していた。このほかにもTikTokで韓国の歌とダンスをまねるなど、出演者もK-POPに親しんでいる。
ドラマの公開前に8LOOMが実際にデビューして一時的に活動したのは、韓国でも日本でも異例のことだ。シングルアルバムを5枚発売し、音楽番組に出演してファンミーティングも開催した。今でもドラマとは別に8LOOMの復活を待ち望むファンがいるほどだ。作中ではあるが8LOOMは帰ってくる。このドラマは映画化が決定されており、2025年に公開される。
2024/07/06 10:59
https://japan.hani.co.kr/arti/culture/50531.html