1年前、日本が福島汚染水放流を開始すると韓国野党「共に民主党」は「核テロであり第2の太平洋戦争」としながら激しく反発した。李在明(イ・ジェミョン)代表は放流に抗議するとして24日間断食し、民主党議員はデモにも飽き足らず日本現地に飛んで行って抗議するなど総力戦を繰り広げた。ところが1年が過ぎた今、民主党は党次元で汚染水への言及を避ける雰囲気だ。環境団体が在韓日本大使館前で開いた放流1周年抗議集会にも民主党議員はただの1人も参加しなかった。民主党は昨年8月23日、李在明代表が「総力闘争」を宣言してすぐ翌日、汚染水露出水産物原料禁輸や被害漁業関係者への支援、対日求償権請求などを法制化した「福島4法」を党論として採択した。しかし言葉だけで1年が経過した今まで発議された法案はただの1件もない。民主党がこのように急変沈下した理由は、彼らの主張が事実とかけ離れたものであることが明らかになったためだ。
日本の東京電力は昨年8月24日から1年間7回にわたって5万5000トンの汚染水を希釈して海水に放流した。これに対して韓国政府は1年間にわたり海域165カ所と公海18カ所で4万9633件の放射能検査を実施したが、安全基準を超えた事例が1件もなかったという。3万7781回の水産物検査で99.8%は放射能が最初から測定されなかったほか、残り0.2%ですら基準値の50分の1に達しなかった。民主党が最も大きく問題視していたトリチウム(三重水素)濃度も世界保健機関(WHO)基準値の2.6%にすぎず自然状態とほぼ同じだった。
野党が日本の汚染水放流を批判して、政府の厳重な対応を注文するのは当然だ。野党の存在理由だ。しかし国際原子力機関(IAEA)と韓国国内の専門家が日本の放流が国際安全基準に合致していて、韓国漁民の被害の可能性も事実上ないと判断したなら、ひとまず見守ることが人の情ではないだろうか。それでも民主党は専門家を「ペテン師」と貶め、「セシウムソイ」など怪談を流布させ、「汚染水阻止懇談会」に右も左も分からない小学生まで動員して「核汚染水放流に賛成した大統領が一番嫌いです」と発言させた。国民の安全・健康ではなく票だけを狙った無責任な扇動といわざるを得ない理由だ。民主党は今でも科学とファクトを否認し、根拠のない恐怖をあおって漁民やさしみ料理店の業者を泣かせるなど、民生を惑わした行動について謝らなければならない。「米国産牛肉を食べれば狂牛病にかかる」「THAAD(高高度防衛ミサイル)が配備されれば電磁波ウリを食べることになる」と扇動し、虚偽であることが明らかになると無責任に何事もなかったかのように涼しい顔をする形を繰り返すなら、責任ある授権政党としての信頼性に疑問を呈さざるを得ない。
政府も汚染水の被害がないからといって安心してはいけない。日本の汚染水放流が計画通り安全に行われているか監視の目を怠ってはいけない。福島汚染水放流は30年という長期プロジェクトであることに留意しなければならない。
2024/08/23 15:28
https://japanese.joins.com/JArticle/322835