開発会社であるノースロップ・グラマンは昨年初めての試験飛行をしたのに続き、年内に本格生産に入る予定だ。89年に初めての試験飛行をし、97年に初めて導入したB2爆撃機に続く新型戦略爆撃機が35年ぶりに出ることになる。米国は核爆撃能力の優位を維持して核戦争抑止力を確保し続けるため超高額のステルス戦略爆撃機を選択したのだ。
米空軍は2027年からB21を実戦配備し、2040年までB1とB2を、その後はB52Hまで順次置き換えていく予定だ。
中国はステルス空中戦力の拡大に関心が大きい。2017年に最高速度マッハ2のステルス戦闘機J20の導入を始め、年内に300機の配備を完了するものと観測される。亜音速ステルス戦略爆撃機である西安H20の開発も完了段階に達したとみられる。3月の両会期間中に「近く公開するだろう」と発表しており、年内にも実物を見ることができると予想される。実戦配備は2025年と予想される。米国のランド研究所は西安H20の戦闘行動半径は最小8500キロメートルで、積載量最小10トンの大型ステルス爆撃機だと推定する。
◇中国、H20手にすれば韓日の安保に大きな脅威
H20戦略爆撃機が重要なのは中国が追求してきた接近阻止・領域拒否(A2/AD)という西太平洋領域支配戦略と関連が大きいためだ。A2/ADは近海積極防衛戦略で、海洋勢力空母などの中国近隣への接近を防いでこの地域を支配領域とすることが目標だ。太平洋を米国と二分し西太平洋を自身の勢力圏とするという意図がうかがえる。
中国がH20ステルス戦略爆撃機を手に入れれば台湾、韓日、インドシナ半島、シンガポール、グアムが含まれた第2列島線西側全体を攻撃範囲に入れることになる。韓日と米領グアムが中国爆撃機の射程圏に入るため地域安全保障戦略も修正が避けられなくなる。韓日もこれに対応する武器とシステムを用意するほかない。
ロシアもステルス戦闘爆撃機ツポレフPAK DAを2027年に導入することにし開発に拍車をかけている。だが2022年のロシアのウクライナ侵攻と西側の経済・戦略物資制裁で開発進行に困難が多いものとみられる。だがプーチン大統領が先を行く米国をだまって見ていることはできないとしてステルス戦略爆撃機開発を国家的優先順位に置くことになれば事情は変わる。技術と破壊力、そして隠密性まで備えたステルス戦略爆撃機は権威主義指導者の業績として掲げるのに申し分ないためだ。
2024/08/25 12:13
https://japanese.joins.com/JArticle/322852