「電気自動車? まだエンジン車」…世界1位のトヨタが正しい理由(1)

投稿者: | 2024年8月26日

「日本の国民車の没落だ」。すべての企業には危機がくる。歴史が古くなった企業であるほど危機も、その危機を克服した経験も多い。1937年に設立されたトヨタ自動車もやはりそうだ。6月に品質認証と関連した不正行為があったという事実が公開されると世界のメディアは世界1位のトヨタが危機に陥ったと特筆大書した。品質認証項目はエンジン出力と後面衝突など合計6項目に達した。1月末にもトヨタの子会社であるダイハツ工業で64車種の不正行為が摘発された。「信頼」を裏切った責任を取り創業3代目の豊田章男会長は何度もカメラの前で頭を下げた。トヨタはこの状況をどのように対処していくことができるだろうか。

最近世界の自動車市場で電気自動車の需要停滞が激しくなると、市場はトヨタを、いや豊田会長をまた見ている。「電気自動車は時期尚早」と主張したトヨタ帝国はハイブリッドカーを前面に出して1人で好調に走っている。トヨタ専門家として有名なミシガン大学のジェフリー・ライカー教授は最近中央日報との電子メールインタビューで、「トヨタは5年後も世界1位を守るだろう」と予想した。

 ◇カーレーサー「モリゾウ」と会長「豊田章男」=トヨタの現在と未来を理解するためにはまずに「人間豊田章男」を知らなければならない。彼は直接ハンドルを握ってレースに参加することで有名だが、この時は豊田章男ではなく「モリゾウ」という名前を使う。レーシングに対する情熱から40代だった2000年代初めにトヨタのマスタードライバー成瀬弘氏に運転訓練を受けた。

豊田会長が世界の経営界の注目を浴び始めたのは2009年だ。前年に米ゼネラルモーターズ(GM)を抜いてトヨタが世界1位の自動車会社になってから彼は当時43歳で最年少社長に上がった。2010年、彼に大きな危機が訪れた。トヨタで生産した自動車で運転席のマットがアクセルペダルに引っかかり急発進を誘発する問題だ。世界で1000万台のトヨタ車がリコールされた。追い打ちをかけるように2011年には東日本大震災が起き各地の生産施設が打撃を受けた。この余波によりGMとフォルクスワーゲンに押されトヨタは自動車販売世界1位から3位に再び下がった。

ライカー教授はこの時豊田会長に会った。2011年当時の豊田会長との対話の一部を紹介した。彼は豊田会長の危機管理能力とリーダーシップを高く評価し、彼を「小さな巨人」と呼んだ。2011年に『トヨタ 危機の教訓』という本をまとめ、トヨタ本社がある名古屋で豊田会長と会ったが、その時彼は最悪の危機に置かれていた。

ライカー教授が挙げたトヨタの対応は大きく2つだ。組織効率化と新興市場開拓。彼は「(豊田会長が)組織文化に最初に手を入れた」ということに注目した。そのような切歯腐心の努力の末に、2020年にトヨタは世界自動車販売台数1位を取り戻し、昨年まで4年連続で1位を守っている。

◇トヨタ「カイゼン」の危機=トヨタを世界1位に回復させた豊田会長に今年の品質認証データの改ざん問題はさらに手痛い。今回のデータ改ざん問題を見て多くの専門家はトヨタが「効率経営の罠」にはまったと分析する。

トヨタは乾いたタオルも絞るようなコスト削減経営で有名だ。一時は「カイゼン」がトヨタの革新の秘訣だったが、硬直した組織文化と混ざり時間が過ぎるほど問題が大きくなった。トヨタには社員が匿名で社内の不正を告発できる情報提供窓口があったが、今回のデータ改ざんは国土交通省の指示により調査をしている間に明らかになった。

2024/08/26 09:28
https://japanese.joins.com/JArticle/322872

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