10日に行われた韓国国会の外交・統一・安保分野における対政府質問で、外交・安保の中核事案である北朝鮮の核とミサイルの脅威に関する問題は完全に後回しにされた。この日に中心となった事案は、野党が政治争点化している、いわゆる(与党による)「戒厳令準備説」と「親日外交」だった。共に民主党の張耿態(チャン・ギョンテ)議員は国防部(省に相当)の金竜顕(キム・ヨンヒョン)長官に対する質問で、日本の海上自衛隊の自衛艦旗と「旭日旗」の図柄を並べて「どちらが旭日旗なのか当ててみろ」と言い、国際観艦式における同国防長官の挙手敬礼を「親日」だと責め立てた。同国防長官は「海上自衛隊の自衛艦旗を掲げた日本の艦船の入港は金大中(キム・デジュン)大統領、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の時も承認されている」と答えたが、野党は聞いている様子がなかった。共に民主党は根拠を提示できないのにもかかわらず、「戒厳令準備説」を主張し続け、国防次官が「政治的扇動だ」と言うと強く反発した。韓悳洙(ハン・ドクス)首相に対しては「日本の首相みたいですよ」というやじまで飛ばした。
共に民主党の関心事は、北朝鮮の核の脅威よりも「韓国の民間団体による北朝鮮へのビラ散布を韓国政府がなぜ取り締まらないのか」ということだった。一部の共に民主党議員が北朝鮮の核問題を取り上げたが、批判の核心は「韓米日安保協力と韓国大統領室のソウル・竜山移転は安保に害を及ぼしている」という主張だった。共に民主党の院内代表は先日、交渉団体代表演説で、「日本に独島(日本名:竹島)まで譲り渡し、自衛隊が韓半島(朝鮮半島)に進駐するのではないかという懸念が高まっている」とも言った。このような愚にも付かない言葉でどんな政治的利益が得られるのかは分からないが、国会を掌握している政党の安保認識はもってのほかだと言わざるを得ない。
外交部の趙兌烈(チョ・テヨル)長官は同日、米大統領選挙前に北朝鮮が核実験を行う可能性について、「多くの専門家がそうした可能性があると言っている」と答えた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は休戦ライン付近にミサイル発射台を250基も配備した。どちらも韓国の安保に深刻な脅威となる問題だが、共に民主党の中で関心を持っている議員はいるのだろうか。
2024/09/12 14:00
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