【韓半島平和ウォッチ】揺らぐ自由主義国際秩序に韓国が対処する方法(2)

投稿者: | 2024年9月27日

◆高まった韓国の地位ほど積極的な役割を

韓米同盟と共に今日の韓国の繁栄を可能にした機軸要素だった自由主義国際秩序の危機に我々はどう対処するべきなのか。

 韓国は自由主義国際秩序の最大受恵者の一つだ。したがってこの体制を強化してかく乱を防ぐことを外交の核心課題としなければいけない。自由主義国際秩序は我々の国家アイデンティティと憲法価値に合い、分断国、地政学的な弱点、貿易国家、エネルギー・食料・資源の高い対外依存度など厳しい対外環境の中を進んでいくうえで最も適しているからだ。現政権が推進するグローバル中枢国家とインド太平洋戦略は同じ土台であるだけに、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権のインド太平洋戦略に肉付けして具体的な成果をあげる作業を急ぐ必要がある。

自由主義国際秩序を支える民主主義の伸張と人権増進および法の支配の拡散にも積極的に取り組まなければいけない。すでに中堅国家として定着した韓国が国際社会で役割と寄与を着実に拡大できる方法を模索することも必須だ。韓国の産業化・民主化・情報化経験は貴重な国際公共財であるだけに、これをグローバルサウス国家と共有するのも一つの案だ。

安全保障に関しては、西側国家と歩調を合わせて脅威を抑止する努力に我々が積極的に参加する姿勢を見せなければいけない。北朝鮮の核の脅威と中国の攻勢的な外交安保政策、ロシアの現状破壊の動き対し、我々の能力に見合った役割と寄与が必要だ。北東アジアの安定のための協力はもちろん、ユーラシア地域の不安定とかく乱に対応するレベルで、北大西洋条約機構(NATO)との連係を拡大しなければいけない。同時に国連軍司令部の役割を強化するなどインド太平洋地域の「格子状ネットワーク」構築に積極的に参加するべきだろう。欧州・日本・オーストラリア・カナダ・ニュージーランドなど中堅国家と多様なプラットホームを構築して多国間主義と国際協力主義を追求すれば、ネットワークの乗数効果をもたらすことができる。もちろん、現在の状況を「民主主義-権威主義」対決構図に向かわせる陣営外交で行動範囲を自ら制限する必要はない。世界経済の活力を維持するための自由・公正貿易分野で規範を強化する作業は必須だ。韓国は世界5大製造業国家に成長した。新興・戦略技術分野で西側のリスク回避(de-risking)努力に参加しながらも透明性と客観性を確保して、保護貿易、産業政策など自由貿易に反する動きに対抗する知恵が要求される。

我々を眺める外部の視線と韓国が直面した外交環境の現実には差があるかもしれない。しかし我々の国力伸張を積極的に活用する必要がある。ポスト脱冷戦時代を迎えて急変する対外環境を直視し、自由主義国際秩序を守護するのに率先するのは選択でなく必須だ。そうしてこそ持続的な平和と繁栄の道を整えることができる。

申珏秀(シン・ガクス)/元外交部次官/元駐日大使

2024/09/27 15:32
https://japanese.joins.com/JArticle/324277

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