韓国が「国境なき記者団(RSF)」の報道の自由度ランキングで、180カ国のうち62位を記録した。昨年の47位から1年で15ランクも下がった順位だ。
RSFが3日「世界報道自由デー」を迎えて発表した2024報道の自由度指数によると、韓国は64.87で62位を記録した。点数体系が改編された2013年以降、韓国が70点を下回ったのは今回が初めて。最も順位が低かった2016年(朴槿恵政権時代の70位・71.42点)よりも6.55点低い。順位の下げ幅を見ても、李明博(イ・ミョンバク)政権初期の2009年(47→69位、22ランク低下)以後、最も大きく下がった。
今回の指標は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権2年目の2023年に対する評価だ。RSFは報告書で、アジアのほとんどの国(31カ国中26カ国)の報道の自由指数が低下した点を強調し、韓国の状況を「民主主義国家で攻撃を受ける報道の自由」の事例に分類した。同団体は「報道の自由を改善してきたいくつかの国でも再び検閲が始まった。韓国の一部報道機関は名誉毀損の疑いで政府による起訴の脅威にさらされている」と指摘した。
昨年、韓国では尹大統領と政府関係者に疑惑を提起した報道機関や記者に対する家宅捜索など強制捜査が相次いだ。昨年5月には、ハン・ドンフン法務部長官(当時)の個人情報流出疑惑捜査で、「文化放送(MBC)」の記者が家宅捜索を受けており、9月からはソウル中央地検に大統領名誉毀損特別捜査チームが設置され、「ニュース打破」や「JTBC」、「京郷新聞」、「ニュースバス」、「レポアクト」などのオフィスと記者の自宅に対する家宅捜索が行われた。
捜査機関を動員した政権の報道機関に対する圧力は、今回の指標にそのまま反映された。報道の自由度指数は政治、経済、司法、社会、安全指標に細分されるが、韓国は今年、政治と社会分野での点数が大幅に下がった。政治指標は昨年54位(63.51点)から今年77位(51.11点)へと23ランク落ちており、社会指標は昨年52位(77.53点)から今年89位(61.77点)へと37ランクも順位を落とした。
RSFは韓国の報道機関が置かれている政治的環境について、「政治の二極化により、『味方ではない』とみなされる報道機関は攻撃の対象になってきた」とし、2021年の共に民主党による言論仲裁法改正の推進、2022年の国民の力による尹錫悦大統領名誉毀損容疑での記者告発、政府に従属した公営放送経営陣の任命権などをその例に挙げた。社会文化的環境についても「政治家、官僚、企業による報道機関関連訴訟が増えている」と説明した。
言論改革市民連帯のキム・ドンチャン政策委員長はハンギョレに「大統領の名誉が毀損されるのではなく、大統領のために国格が損なわれている」と評した。キム委員長は「大統領の名誉毀損で大規模な捜査チームを設け、報道機関を家宅捜索し、大統領の風刺動画を作ったとして、平凡な市民が捜査を受けた。民主国家でありえないこと」だとし、「現在の放送通信審議委員会の審議制度などが反映されれば今後の評価はさらに悪くなるだろう」と語った。
RSFのアン・ボカンデ編集ディレクターは報道資料で、「今年は世界人口の半分以上に投票に参加する中、政治指標において懸念すべき(報道の自由度の)低下傾向が現れた。政府は報道の自由を守ることに消極的で、時にはジャーナリストの役割を弱める敵対的行為を行ったり、虚偽情報のキャンペーンを通じて報道機関を道具化したりもする。ジャーナリズムはすべての民主的システムと政治的自由行使のための必須条件だ」と述べた。
ノルウェーは8年連続で報道の自由度指数で1位を占めたが、点数が僅かに低下しており、米国は昨年45位から55位に10ランク順位を落とした。アジアでは東ティモール(20位)と台湾(27位)が韓国より高い順位にランクしており、日本が70位、中国が172位、ベトナムが174位、北朝鮮が177位を記録した。
2024/05/03 21:25
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/49918.html