ASEAN10カ国と韓国・日本・中国の国際会議体「ASEANプラス3」がドル高など外国為替市場の変動性拡大などを主要リスクとみて多者間通貨スワップを強化することにした。
3日にジョージア、トビリシで開かれた「第27回ASEANプラス3財務相・中央銀行総裁会議」の共同議長国は韓国とラオスだ。韓国の崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政部長官らが会議を主宰した。
加盟国は為替市場の変動性拡大に対応するレベルで域内の金融安全網「チェンマイ・イニシアティブのマルチ化(CMIM)」の強化について協議した。2010年に施行されたCMIMは1990年代後半のアジア通貨危機を繰り返さないという目的で構成された多者間通貨スワップ体制。スワップ規模は2400億ドル(約37兆円)にのぼる。通貨スワップは両国が定めた為替レートで自国通貨を一定の時点に交換する契約だ。市場の不安を事前に防ぐため「為替安全弁」と呼ばれる。
加盟国はCMIMの実効性を確保するため「迅速金融プログラム(RFF)」の新設を承認した。自然災害など一時的な外部衝撃による危機の解消のために事前・事後条件のない小規模・短期資金支援プログラムを導入することにした。国際通貨基金(IMF)が新型コロナ対応過程で別途の事前・事後条件なく小規模な救済金融資金を緊急支援したのをベンチマーキングしようということだ。RFFで使用する通貨は米ドルだけでなく日本円と中国人民元にまで拡大することにした。来年の会議で関連制度を正式に始める方針だ。
また加盟国はCMIMの財源構造をIMFのように納入資本方式に変更することに共感した。2025年までに具体的な方式を用意する予定だ。
加盟国はASEANプラス3の経済成長率は良好とみている。半導体景気の回復で輸出実績が復元し、内需市場は堅調というのが理由だ。物価も持続的に緩和すると見込んでいる。しかしリスクとして原材料価格の上昇、地政学的な緊張とともに、最近は為替市場の変動性拡大などが挙げられた。加盟国は「財政の持続可能性確保、緊縮的通貨政策の維持、成長潜在力の向上が必要だ」という認識で一致した。
2024/05/04 09:32
https://japanese.joins.com/JArticle/318241