「韓日関係改善の恩恵を実感してこそ協力…出入国優待、交通カード互換から」(1)

投稿者: | 2024年5月4日

「韓日関係がかなり改善したが、葛藤の懸案が浮上すればすぐにまた悪化するおそれがある」。世宗研究所日本研究センター(陳昌洙センター長)が3日に開催した「2024韓日戦略フォーラム:インド太平洋時代の韓日関係 新しいパラダイム摸索」でこのような指摘があった。両国は来年、国交正常化60周年を迎えるが、依然として歴史・領土問題、経済的葛藤など不安定な要因が多いという点でだ。韓国総選挙での与党惨敗、岸田文雄政権の低い支持率など両国の国内政治的環境も悪化の可能性を内包している。

対策はないのか。これをめぐり韓日両国の複数の政治家と専門家、言論人がこの日のフォーラムに出席し、熱を帯びた討論をした。以下は主な発言内容。

 ▼張済国(チャン・ジェグク)東西大総長=両国関係を完全な普通の国家関係に移行するのを阻む歴史など非正常的な要因が依然として存在している。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が提示した「徴用者第三者弁済」解決策に対し、日本がより積極的に応じる必要がある。

▼松川るい自民党参院議員=12年ぶりのシャトル首脳外交復元など日韓関係の正常化で関係が深まっている。両国は中国と北朝鮮の脅威という安全保障の側面で戦略的利益を共有している。「自由で開かれたインド太平洋」をつくるための両国の連帯が重要だ。

▼大岡敏孝自民党衆院議員=日韓間では最近まで過去が問題となる状況が繰り返されてきた。もうこのような反復が終わることを望む。長い夫婦関係との比較が適切かは分からないが、互いに必要とすることをよく知っているので仲良くするほどプラスになる。青年の交流が重要だ。高齢者は変わるのが難しいが、若者は柔軟だ。

▼趙容来(チョ・ヨンレ)韓日議員連盟事務総長=両国関係の改善で利益を互いに得ることができればよい。空港の出入国で両国の国民を互いに自国民に準ずるよう待遇するなどの案がある。

◆「無理な共同宣言推進はむしろ逆効果」

▼金玄基(キム・ヒョンギ)中央日報論説委員=国内で修交60周年を迎えて共同宣言をしようという議論が多いが、無理に合意をすればむしろ否定的な影響を呼ぶこともある。より実利的に接近する必要がある。今年から相互訪問が年間1000万人を超えるが、両国で交通カードを互換して使用できればよい。専門家からはチップ1枚を入れれば可能だと聞いた。

▼貝瀬秋彦朝日新聞論説委員=歴史問題は政治的な合意ですべて消えたり解消されたりする問題ではない。両国間の文化・人的交流が爆発的に増えたが、歴史問題を克服することはできなかった。両国がこれを認識しながら安定した関係の構築をどのようにするかが課題だ。

▼鄭在貞(チョン・ジェジョン)ソウル市立大名誉教授=過去60年は相互「ウィンウィン(win-win)」の60年だった。韓国は日本をモデルにして発展し、日本は韓国の発展で大きな貿易黒字が生じた。このような60年を前向きに評価する歴史観を作って伝播する必要がある。

▼キム・スクヒョン国家安保戦略研究院責任研究委員=大学時代に日本でホームステイを経験しながら反日的な認識が弱まるきっかけになった。その後、日本に留学し、研究者になる基礎となった。こうした個人的な経験からも両国間の青年交流は極めて重要だと考える。

2024/05/04 10:30
https://japanese.joins.com/JArticle/318242

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