トランプ氏の大統領就任前に…事実上1ドル=1ユーロ時代

投稿者: | 2025年1月14日

1ユーロの価値が1ドルと同じになる等価時代が迫っている。勢いに乗る米国経済の独走に、「強いドル」が加速してだ。トランプ氏が米国大統領に就任してから一方主義政策を本格的に施行するならば、世界の金融市場の変動性がさらに大きくなるとの懸念が出ている。

ブルームバーグの集計によると、10日のユーロ相場は前営業日比0.55%下落した1ユーロ=1.024ドルで取引を終えた。続けて13日のユーロ相場も取引時間中に一時1.02ドルまで落ち、「1ドル=1ユーロ」に近付いた。

 1ユーロの価値が1ドル以下に落ち込んだのは過去2回だけだ。一度はドットコムバブルが崩壊した2000年2月~2002年11月だった。新型コロナウイルスの流行で米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を急激に引き上げた2022年8月~2022年11月にも一時的に1ユーロが1ドルを下回った。もし今回ユーロ相場がさらに下がるならば史上3度目だ。

ユーロとドルが等価となるのは金融市場には良くない信号だ。ドル高が過去平均よりさらに過度に現れ、市場全体に否定的影響力を拡大しかねないためだ。最近のトランプ新政権の10~20%普遍関税賦課の方針はユーロ安に油を注いだ。ドイツやフランスなどユーロ圏の主要国が低成長局面を抜け出せていない状況で、米国の関税爆弾がこれらの国の輸出競争力を落としかねないためだ。昨年9月まででも1ユーロの価値は1.121ドルに達したが、昨年11月にトランプ氏が大統領当選してから急落し始めた。昨年9月と比べ約2カ月でドルに対しユーロは9%下がった。

こうしたドル高は最近米国の雇用指標が出てさらに強まった。景気の後行指標である雇用数が増えると米国の景気が依然として上昇に乗っているという分析が力を得た。この影響でFRBも利下げ速度を遅らせる可能性が大きくなった。13日午後3時基準でシカゴ商品取引所(CME)のFEDウォッチが予測した3月の金利据え置きの確率は77.9%で、米国の雇用指標発表前の56.0%より20ポイント以上上昇した。米国の雇用指標ショックで13日のソウル外国為替市場でウォン相場も前営業日より5.80ウォンのウォン安ドル高となる1ドル=1470.80ウォンを記録し、今年に入り初めて1470ウォン台に落ちた。

米国経済の独走は世界市場の金利まで引き上げている。10日の米国10年物国債利回りは前営業日比0.16%上昇し、終値基準で年4.76%まで上がった。FRBが利下げを始める前の昨年4月以降で最高値だ。他の国の市場金利も上昇し始めた。9日の英国10年物国債利回りは年4.823%を突破し2008年以降の高水準を記録した。ドイツ10年物国債利回りも年2.568%で昨年7月以降の最高を記録した。日本10年物国債利回りは14年ぶりの高水準となる年1.196%まで上がった。

米国経済好調が呼び起こした影響は大きそうだ。実際に韓国銀行も今年1%台の経済成長見通しにもかかわらず、為替相場不安から基準金利の引き下げを生半可に決められずにいる。

梨花(イファ)女子大学経済学科の石秉勲(ソク・ビョンフン)教授は「トランプ新政権の経済政策の根幹が、他国の経済を圧迫して自国の利益を図る構造のため最近の米国経済独走とドル高は持続するほかない。トランプ新政権の政策方向がまず明確に決まってこそこれに対する適切な対応策も用意できるだろう」と話した。

2025/01/14 07:23
https://japanese.joins.com/JArticle/328570

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