イカが高騰でどこにもない…飲食店からは「さきいか」料理が消える=韓国

投稿者: | 2025年1月28日

「家族はイカの天ぷらが好きだが、祭壇に上げる分くらいしかできませんね」。釜山(プサン)に住む主婦のカンさん(52)さんは「カード会社提携20%など割引を最大限使っても中間サイズの生イカは2杯で2万ウォン(約2150円)だ。他の材料もすべて用意しているが、多く供えようという気にならない」としてこのように話した。

◇水産協同組合「イカの高騰続く」見通し

 漁獲量減少により、韓国では最近イカ(オジンオ)のことを「クムジンオ(金のようなイカ)」「オプジンオ(イカがない)」などと苦笑交じりに呼んでいるが、そんなイカの価格は今年も高騰するものとみられる。27日、水産協同組合中央会水産経済研究院が発刊した報告書「2025水産経済展望」を見ると、今年冷凍イカ1キロの消費者価格は1万7850ウォン~2万733ウォン範囲で策定され、平均1万9878ウォンを記録するものとみられる。これは昨年の価格(1万8874ウォン)に比べて5.3%上昇したもので、2015年(6865ウォン)と比較すると2.9倍にもなるというのが水産経済研究院の見通しだ。

この報告書で原因として挙げられているのが「近海イカの生産量減少」だ。気候変化で近海の水温が上昇し、寒帯性の魚種であるイカ(生息適正水温15~20度)が漁場を離れているという意味だ。実際に、海洋水産部国立水産科学院の科学調査船の観測結果によると、昨年韓国近海の年平均水温は18.74度だったという。

2023年(18.09度)に続いて年平均水温が大幅に上昇し、歴代最高値を更新した。海域別には東海(トンへ、日本名・日本海)18.84度、西海(ソヘ、黄海)17.12度を記録したほか、南海は20.26度で20度を超えた。漁業生産動向調査を見ると、1994年20万トンに迫っていたスルメイカの漁獲量は2023年には2万3343トンに急減した。報告書は「2023年ロシア漁場でのイカ入漁が再開されたが漁況が悪い」とし、供給が需要を満たすことができないと分析した。

◇漁家の所得を圧迫、飲食店から「さきいか」も消えた

これに伴い、食卓のおかず物価は脅威を受けている。老若男女問わず人気のイカはもちろん、「いかさき」も政府が管理する458品目の消費者物価指数項目に含まれる。国家統計ポータル(KOSIS)資料を見ると、昨年12月イカの消費者物価指数は123.57、いかさきは120.79を記録して平均(117.89)を上回った。これは2020年イカ・いかさきの平均価格を100として換算した数値だ。

このような価格負担で釜山東区凡一洞(ドング・ポミルトン)一帯に集まった飲食店では、すでに数年前からいかさきのおかずが痕跡をなくしたという。報告書はこのようなイカ漁獲不振の影響を受けて全体漁業収益もまた赤字を免れるのは難しいと展望した。

◇「遠洋からの搬入増やし備蓄を放出」

高騰するイカ価格を防御しようと政府はあらゆる手を尽くしている。遠洋イカの国内需給を増やすことが代表的だ。海洋水産部によると、昨年4月から釜山甘川(カムチョン)港などを通してフォークランドなどから搬入した遠洋イカ7万268トンを国内市場に流通させた。2023年(3万7367トン)よりも遠洋イカ流入量を88%増やした。これによって年中消費者価格が同じ水準で推移したというのが海水部の自己分析だ。

海水部関係者は「今年のソル名節対策として、2日から政府備蓄物量900トンを市中に放出していて、流通業者45カ所と協力して『大韓民国水産大展』など最大50%割引を進めている。価格負担を軽くするために、連休期間に伝統市場で国産水産物を買う場合、金額により1万~2万ウォンを地域商品券で払い戻しするイベントを併行した」とし「イカ漁獲量の減少に伴う長期的な対策も検討している」と明らかにした。

2025/01/28 08:35
https://japanese.joins.com/JArticle/329140

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