現代(ヒョンデ)自動車・起亜(キア)が米国内価格据え置きの方針を維持し持久戦に入った。トランプ米大統領が8日に予定された相互関税施行を来月1日に延期し韓米関税交渉に3週間の余裕が生じてだ。この隙に米国の自動車業界は積極的プロモーションでシェア拡大に乗り出している。
現代自動車・起亜は9日現在、値上げの方針を明らかにしていない。4月3日に米国が輸入車関税25%を施行した直後に1回の延長を経て7月8日まで価格据え置きを予告したが、期間が過ぎた後も明確な方針を打ち出していないのだ。日本の自動車メーカーはすでに耐えきれず値上げを決めた。トヨタは1日から米国内の販売価格を平均270ドル引き上げ、三菱自動車は6月から525~735ドル、スバルは750~2055ドル価格を上げた。
現代自動車北米ブロック本部のランディ・パーカー最高経営責任者(CEO)は1日、米オートモーティブニュースとのインタビューで「容易でない下半期を解決するためには合理的な価格帯を維持することが重要だ」と話した。国民大学自動車運送デザイン学科のクォン・ヨンジュ教授は「急激な値上げは販売台数に直接的な影響を与えるため、韓米関税交渉の推移など多角的な分析後慎重に決めるということ」と話した。
韓国製自動車に対する品目別関税が引き下げられれば現代自動車・起亜としては一息つける。業界では韓国製自動車の関税が25%から10%に引き下げられることを期待する。米国は原則的には「相互関税と品目別関税は別個」として交渉対象ではない点を強調している。だが交渉により品目関税が調整される余地があると業界はみている。反対に交渉が進まなかったり、決裂したりする場合には税率がむしろ高まるという懸念も排除するのは難しい。
ひとまず持久戦に出たが現代自動車・起亜も相当な値上げ圧力を受けている。例えば供給価格が4000万ウォンの車1台を米国に輸出すれば1000万ウォンの関税が発生する。これを5月1カ月間の現代自動車・起亜の対米輸出台数7万7892台で換算する場合、約7789億ウォンの関税費用が発生する。ハンファ投資証券は現代自動車・起亜の今年の関税負担が4兆9000億ウォンに達すると試算した。昨年の現代自動車グループの営業利益14兆2396億ウォンの34.4%に相当する。
現代自動車・起亜が苦悶に陥る間に米国の自動車メーカーは足早に動いている。フォードは8日から米国で販売される全車種に対し48カ月無利子分割払いプロモーションを始めた。先納金をなくし、購入から90日間は元利金を償還しなくても良い破格な条件も付けた。フォードは4月3日から7月7日まで社員割引価格で車を販売し、4-6月期の販売台数を前年同期比14.4%増やした。上半期に米国の電気自動車市場でも現代自動車・起亜はシェア7.6%、13.3%を記録した米国企業のゼネラルモーターズ(GM)に2位の座を明け渡した。
産業研究院のチョチョル選任研究委員は「昨年基準で米国シェア3位のフォードは『米国企業』である点を掲げ4位を占めた現代自動車・起亜の追撃を振り払おうと努めている。もし25%の関税が固定化すれば現代自動車・起亜では現地生産と部品供給網変化などを急がなければならないだろう」と話した。
2025/07/10 09:20
https://japanese.joins.com/JArticle/336079