自らを「世界的な彫刻家」と名乗り、全羅南道新安郡や慶尚北道青島郡に作品を設置する見返りに数億ウォン(数千万円)を手にした70代の男に執行猶予付きの懲役刑が宣告された。男はパリの有名大学教授と名乗っていたが、実際は詐欺で服役した経歴のある前科者だった。
新安郡と青島郡が24日に明らかにした。それによるとチェ・パオロ(72)と名乗るこの彫刻家の男は故・金大中(キム・デジュン)元大統領の出身地である全羅南道新安郡荷衣島に「天使像」と呼ばれる彫刻318点、慶尚北道青島郡に20点の彫刻を設置していた。新安郡には1004(韓国語でチョンサ)の島があるという意味からこれらの島々は「天使(チョンサ)の島」と呼ばれている。ところが先日男の学歴や経歴が虚偽だったことが分かり、新安郡は彫刻の処理で頭を痛めている。新安郡は「住民の間からは『このままでいい』という意見もあるため、住民の声を集めて(今後の対応について)判断したい」とコメントした。
新安郡は2019年にプレスリリースで「チェ氏はパリのアートジャーナルから『21世紀をリードする芸術家』に選ばれた。荷衣島の天使像318点はこのチェ氏の作品」と紹介したが、先日裁判所で「男は経歴を詐称した」との判決が下された。
大邱地裁刑事12部(裁判長、イ・ジェウォン)は20日、詐欺などの容疑で起訴された男に懲役2年6カ月・執行猶予4年を宣告し、保護観察と120時間の奉仕活動を命じた。
男は2022年に慶尚北道青島郡に「私は世界的な彫刻家だ。作品を寄贈したい」と持ちかけ、20点の彫刻を設置する見返りに2億9000万ウォン(現在のレートで約3000万円)をだまし取った容疑で起訴された。男が青島郡に設置した作品は自分の制作ではなく中国製だったという。
男は自らについて「パリ第7大学を卒業し、海外で教授も務めた世界的な彫刻家」「日本の長崎県の原爆慰霊塔建立にも参加し、光州ビエンナーレにも出品した」などと詐称していたが、後にこれらの学歴や経歴のほとんどが虚偽だったことが分かった。
男は小学校、中学校、高等学校は卒業しておらず、10代前半からソウル市中区新堂洞の鉄工所や木工所などで働いてきた。20代前半から40代中ごろまで常習的な詐欺行為などで複数回刑務所に服役した。男は履歴書に「1992年にパリ第7大学名誉教授に就任」と記載していたが、実際この時期に男は慶尚北道の青松保護看護所(刑務所)に詐欺などの容疑で服役していた。
2025/02/25 11:10
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