スマートフォン用チップの独占体制に亀裂が入っている。通信チップのクアルコム、イメージセンサー(CIS)のソニー、メモリーのサムスンなど、市場を寡占する最強者の堅固な垣根を1人2人と乗り越え始めている。アップルやファーウェイのようなスマホメーカーが核心チップを直接作り、中国の半導体が急速に成長しながらモバイル用チップ業界が再編されている。
◇ソニー・サムスン脅かすウィルセミコンダクター、習近平氏の向かい側に
17日に中国・北京で習近平主席の主宰で開かれた民営企業座談会で、習主席の向かい側の席に斜めにもたれて座った中年男性が自信ありげに話した。「半導体供給網全般で国産化の割合が増加しています」。
シャオミの雷軍会長とBYDの王川富会長の間に座った彼は中国の半導体の大物に挙げられるウィルセミコンダクターの虞仁栄会長だ。この日CATL、BYD、アリババ、テンセント、ファーウェイ、ディープシーク、ユニツリーなどそうそうたる出席企業のうち半導体ファブレスはウィルセミコンダクターが唯一だった。
彼が堂々としているのには理由がある。スマートフォンの核心部品であるCMOS(金属酸化膜半導体)イメージセンサー(CIS)の中国国産化のトップランナーであるためだ。デジタルカメラの性能と画質を高める半導体であるCISはスマートフォンのカメラ機能が強化され重要が大きくなっている。市場調査会社のオムディアによると、CIS市場は日本ソニーが45%、サムスン電子が19%と長く寡占してきたが、最近になり中国企業が急浮上している。
半導体流通会社として始まったウィルセミコンダクターは2019年にCIS市場3位の米オムニビジョンを、2020年に米シナプティクスのタッチディスプレー駆動チップ(TDDI)アジア事業部を買収して技術と人材を育てた。低価格スマートフォンに使われたオムニビジョンのCISは最近オナー、ファーウェイ、シャオミの最高仕様スマートフォンに搭載されている。
アップルのiPhoneはソニー、サムスンのギャラクシーは自社のCISを使う。中国のスマートフォンメーカーは高仕様CISをソニーとサムスンに全面的に依存してきたが、ウィルセミコンダクターがソニーとサムスンの市場に徐々に食い込み始めた。トレンドフォースの調べでウィルセミコンダクターは昨年売り上げ基準で世界9位の半導体ファブレスとなった。
◇クアルコムの支配崩壊するモデムチップ
28日に韓国で発売されるアップルの普及型iPhone16eにはアップルが独自開発したモデムチップ「C1」が初めて搭載された。モデムチップはスマートフォンが移動通信網とデータをやりとりする核心部品で、クアルコムが市場の半分以上を占める。
2025/02/27 08:42
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