トランプ関税ブーメラン、好況の米国も強打…ドルは力を失って株式市場パニック

投稿者: | 2025年3月5日

最近米国は物価上昇と同時に景気が沈滞する「S(スタグフレーション)の恐怖」が大きくなっている。長・短期国債金利逆転現象が明確になったうえ1-3月期の逆成長見通しまで登場しながらだ。何より「関税マン」トランプ氏の歩みが米国経済にはインフレブーメランとなって戻ってくる可能性があるという懸念の声が高まっている。

3日(現地時間)、ニューヨーク3大株価指数は一斉に下落した。ハイテク株中心のナスダック指数の下落幅(-2.64%)が最も大きかった。債券市場も揺らいだ。グローバル債券金利のベンチマークである10年満期米国国債利回りが前日比0.061%ポイント下落した(債券価格は上昇)年4.159%を記録した。年初以来、最も低かった。特に3カ月満期米国国債利回り(年4.296%)が10年物より0.137%ポイントも高かった。長・短期国債金利逆転幅は今年最大に広がった。通常、長期国債金利が短期金利よりも落ちると景気低迷の信号と解釈する。今後の景気が悪くなると展望した投資家が安全資産である長期債に集まり、債券価格が上昇する(債権金利は下落する)傾向があるためだ。

 これはトランプ氏が市場の予想を破って関税政策を強行しているのが原因だ。米国政府は4日(現地時間)からカナダとメキシコに25%の関税を賦課し、中国製品には20%の税率を適用すると明らかにした。経済不確実性とインフレ(物価上昇)の懸念で投資心理が冷え込んだ。3日(現地時間)、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「制御されない『関税マン』トランプ氏が経済的リスク要素になるという懸念が現実になっている」とし「(投資家は)米国経済の鈍化兆候に注目している」と報じた。

◇米国「Sの恐怖」…1-3月期逆成長見通しも

各種経済指標にも沈滞の暗い影が垂れ込めている。この日、米国供給管理協会(ISM)によると、先月製造業購買担当者指数(PMI)は50.3で、前月(50.9)比0.6ポイント下落した。新規の受注物量は減り、原材料などのコスト負担が大きくなり、製造業者の景気見通しが後退した。関税戦争に火がつく前に米国経済は物価負担が大きくなっている。1月の消費者物価指数(CPI)は昨年6月以降、初めて3%台(前年同月比)に上昇した。

米国住宅市場にも寒波が襲った。全米不動産業者協会(NAR)によると、1月の米国住宅売買指数は70.6(暫定値)で前月比4.6急落した。数値が70台に落ちたのは2001年関連統計集計以来最も低いというのが協会側の説明だ。

米国経済が今年1-3月期には逆成長するかもしれないとの展望まで登場した。3日(現地時間)、米国アトランタ連邦準備銀行は今年1-3月期の米国成長率を年率基準マイナス2.8%と予想した。関税政策で輸出は停滞して輸入が大幅に増える可能性があるという推定値が反映された結果だ。昨年10-12月期の年率基準2.3%(暫定値)成長した米国経済の成長モメンタムが揺さぶられる場合もあるという分析だ。

ただしゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は「トランプ大統領は貿易で不均衡を解消するために行動している」とし「米国経済が沈滞する可能性は低い」と話した。

一方、米国の景気鈍化とトランプ氏の関税圧迫にアジア市場は株安に襲われている。4日、韓国総合株価指数(KOSPI)の終値は前営業日比0.15%下落した2528.92だった。日本の日経(-1.2%)や台湾の加権(-0.7%)指数も軒並み下落した。対米ドルの韓国ウォン相場はドル安が進み、前営業日よりも1.6ウォンのウォン高ドル安となる1461.8ウォンで取り引きされた。

2025/03/05 09:11
https://japanese.joins.com/JArticle/330691

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