【コラム】東南アジアが代替生産基地に急浮上…差別化したビジョンで協力強化しなくては=韓国(2)

投稿者: | 2025年3月5日

これ以上待つ余裕はない。東南アジア政策の新たな青写真が必要だ。最初に、弱まった関係を復元して差別化されたビジョンをまとめなければならない。日本がグリーン転換、中国がインフラとテクノロジー、EUが持続可能性と連結性という主要議題を先取りした状況で韓国ならではの競争力を活用した新たな協力案が必要だ。特に各国の技術と能力を調和するようにつなぐ「共生に向けた技術オーケストレーション」を主導して韓国の差別化された役割を強調できる。

2番目に、シンクタンクを通じた政策協力が必要だ。日本の「東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)」と中国の「東南アジア+3マクロ経済研究所(AMRO)」のように韓国も東南アジア専門シンクタンクを設立または強化して長期的政策協力の基盤を用意しなければならない。韓国は協力増進に向けた国際機関として「韓国アセアンセンター」を設立したがシンクタンクの役割とは距離が遠い。現在の韓国アセアンセンターを超え政策研究と実行を連係するプラットフォームが必要だ。

 3番目に、ソリューションアプローチ法が必要だ。アセアン加盟国は経済発展水準と社会的・文化的・政治的背景が異なり、適正技術も相異する。真のオーダーメード型戦略は相手国が表面的に要求する先端技術や人気産業を単純に提供するのではない。重要なのは相手国の実質的問題と韓国の能力が交差する地点を把握することだ。相手国が望むものと実際に必要なものの間にはしばしば乖離があり、相手国の具体的問題に対する解決策が韓国の利益とも合致する時に真のシナジーが発生する。

◇「チームコリア」戦略で企業進出支援しなくては

4番目に、チームコリア戦略も必要だ。官民合同の競争者に効果的に対応するために韓国政府と企業、金融機関が協力する統合システムが必要だ。政府開発援助(ODA)部門もやはり未来の市場拡大につながる支援体系を構築し韓国企業の競争力を強化しなければならない。

5番目に、人材育成に関心を持たなければならない。東南アジア各国の革新成長の限界は人材プールの不足だ。現地で基礎と職業教育機会提供とともに韓国で最高人材が修士・博士と専門家に成長する機会を提供することだ。東南アジアの留学生のうち理工系専攻者ですら韓国での就業には制限がある。人的交流の拡大は協力の最も重要な出発点だ。

韓国と東南アジア各国間の2国間関係や多国間関係の高度化が止まってしまった間に、中国と日本の浸透ははるかに活発に進められた。米国の戦略的空白は日本・中国・EU間の競争を深める一方、東南アジア諸国の交渉力と中心性を強化する契機になるだろう。権力の論理が支配する国際関係の中で韓国と東南アジアは互いに協力の必要性を痛感している。環境の変化を認識して新たなモデルを作ってこそ協力の実効性と持続性が維持される。いまがまさにその新しい道をともに切り開く時だ。

コ・ヨンギョン/延世(ヨンセ)大学国際学大学院・デジタル通商研究教授

2025/03/05 13:10
https://japanese.joins.com/JArticle/330713

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