【コラム】東南アジアが代替生産基地に急浮上…差別化したビジョンで協力強化しなくては=韓国(1)

投稿者: | 2025年3月5日

米国のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談は決裂で終わった。トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」政策は欧州との分離、ロシアとの関係回復を超え、米国が追求してきた価値同盟を薄めて「経済的取引」だけ残した。「永遠の友邦も永遠の敵もない」強者だけの新たな秩序が形成される中で、東南アジアは独特の地政学的ポジションを確保した。北東アジアとインド洋・太平洋をつなぐ戦略的要衝地ながらも、主要強大国との直接的な軍事的緊張関係から抜け出し、地政学的リスクが比較的低い地域と位置付けられる。

◇米国の東南アジアFDI急増

 東南アジアの地政学的安定性は世界的供給網再編過程で経済的機会につながった。米中貿易対立、コロナ禍、ロシアとウクライナの戦争の余波で東南アジアが代替生産基地として急浮上したのだ。米国の対東南アジア直接投資(FDI)は2017年の291億ドルから2023年には744億ドルに急増し、東南アジアの対米輸出も2017年の1425億ドルから2022年に2910億ドルを突破して中国を抜いて輸出相手国の1位になった。2024年の米国輸出でベトナムが23.4%、マレーシアが23.2%、インドネシアが19.2%、タイが13.7%と主要国がいずれも2桁の成長率を記録した。

東南アジア地域の輸出の柱は半導体を含んだ電機・電子部門だ。サムスン電子とアップルのiPhoneを生産するフォックスコンと部品メーカー、半導体企業のインテルとインフィニオンなど屈指の世界的企業と現地企業がこれら地域に布陣している。こうした成長は新しい貿易構造を伴う。東南アジアの対米輸出増加は中国からの中間財輸入増加とともに起き、東南アジアと中国の間で貿易収支赤字拡大につながっている。これは域内国間の貿易比率と経済的依存度が再編されている現実を見せる。

東南アジアで日本と中国、欧州連合(EU)の戦略的協力競争が激しく広がってから久しい。日本は政府開発援助(ODA)と1万5000社以上の企業進出を基盤とした「GX推進戦略」を通じてグリーンインフラ分野に集中している。中国は一帯一路構想でインフラと原材料開発に、EUはグリーン転換、交通とデジタル連結性に100億ユーロを投資して差別化した協力議題を提示している。

これに対し東南アジアが韓国の3大貿易相手であり、最も多くの企業が進出した地域であるのに韓国の場合一貫した戦略的アプローチが不在だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権の「新南方政策」は東南アジアを戦略的に格上げさせたが、現政権ではインド太平洋戦略の下位要素に縮小された。「韓国アセアン連帯構想」を発表したが推進力を得られず、120件以上の協力プログラムが進行中だがこれを体系的に管理する枠組みは不在なのが実情だ。

2025/03/05 13:10
https://japanese.joins.com/JArticle/330712

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