論理通じないトランプ氏…「韓国関税4倍発言、交渉戦略」という観測も

投稿者: | 2025年3月6日

米国のドナルド・トランプ大統領が4日(現地時間)、「韓国の関税が米国に比べて平均4倍高い」とし、韓国製品に対する関税賦課を示唆した。韓国政府は当惑する雰囲気だ。トランプ氏の発言が事実と違う点でだ。産業通商資源部によると、韓米両国は自由貿易協定(FTA)に則り、ほぼすべての工業製品に互いに関税を付けないでいる。対米輸入品全体としてみると、平均関税率は昨年基準0.79%程度で、払い戻しまで考慮すればこれよりさらに低い。

ただし韓国が世界貿易機関(WTO)加盟国に賦課する平均最恵国待遇(MFN)関税率は13.4%で、米国(3.3%)の4倍水準だ。MFN単純平均関税率は米国には適用されないが、トランプ氏がこれを誤解したのではないかと韓国政府はみている。産業通商資源部は「韓米輸入品に対する韓国の関税率は事実上0%水準」としながら「トランプ氏の発言は事実と異なっている。米国側に積極的に説明していく」と明らかにした。

 この日のトランプ氏の発言は、今後の交渉で優位を占めるための誇張された発言という解釈もある。韓国経済人協会グローバルリスクチームのイ・テギュ・チーム長は「今後本格的な交渉が始まればまた別の話が出てくるだろう」としながら「韓国が貿易黒字を多く出していて、これを正すという意志表現であり交渉戦略」と解釈した。

だが、これまでのトランプ氏の言動を見ていると、合理的な論理で説得する「正攻法」が通じない場合があるという懸念もある。西江(ソガン)大学国際大学院の許允(ホ・ユン)教授は「トランプ氏は先月には各国の付加価値税を実質的な関税として見て対応すると話したが、厳密に見てこれを関税としてみるのは難しい」とし「道理に合わなくても、本人のスタイルで押し通す可能性が高い」と予想した。兪明希(ユ・ミョンヒ)前通商交渉本部長は「一日も早く米政府に対して十分に説明を行い、誤解を正さなければならない」とし「ただし、本交渉では教えようとする態度に聞こえないように注意しなければならない」と助言した。

通商当局は関税戦争の戦場がどこまで拡張されるのか緊張を緩めることができないでいる。韓国のウォン安が口実になる場合があるという懸念もある。実際、トランプ氏は3日「中国元だろうと日本円だろうと、彼らが自国通貨を低く評価をすれば米国に非常に不公正で不利な状況がもたらされるだろう」と主張した。ソウル大学経済学科のアン・ドンヒョン教授は「低成長固定化と政局不安のためにウォン価値が下落した韓国も、米国の立場にしてみれば貿易黒字を拡大するために人為的にウォン価値を低く抑えていると指摘されて関税をかけられる恐れがある」と話した。

韓国政府はひとまず対米黒字を減らし、韓国が米国の製造業復興に寄与している点を強調して水面下交渉を継続している。実際に1~2月の累積対米貿易収支は76億3300万ドルの黒字で前年同期比8%ほど(6億7700万ドル、約1008億円)縮小した。今後、米国現地生産を増やして、エネルギー・農産物などの輸入を拡大すれば対米貿易黒字は今後縮小する流れを継続する可能性が高い。韓国が世界で最も多く米国に投資している国の一つという点も交渉のテコだ。

通商当局関係者は「米国が具体的に韓国にどのような措置を取るのか、どんな名分を前面に出すのか輪郭がはっきりするまで、すべての可能性を視野に入れてシナリオ別対応戦略を樹立中」と話した。

2025/03/06 06:41
https://japanese.joins.com/JArticle/330734

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