【社説】韓国を「公開狙撃」したトランプ大統領の議会演説…超党派的で対応始めよ

投稿者: | 2025年3月6日

 米国のドナルド・トランプ大統領が、就任から1カ月半後の4日(現地時間)、米国上下両院合同会議での演説を通じて、「米国第一主義」の声を上げた。トランプ大統領はこの日、「米国をふたたび偉大に」するためには「関税戦争」を辞さないと述べ、帝国主義的な領土拡張もためらわない意向を明確にした。韓国に対しては、米国より「4倍高い」関税を課していると主張するなど、多方面にわたる高強度の圧力を予告した。トランプ大統領が引き起こした「パーフェクト・ストーム」は、まもなく朝鮮半島にも押し寄せるものとみられる。12・3内乱事態を1日も早く収拾し、この途方もない国難に対処しなければならない。

 トランプ大統領は4日、上下両院合同会議での演説で「米国の勢いが戻ってきた。アメリカン・ドリームがかつてないほど高まっている」と述べた。演説を通じて米国の国益だけを強調し、他の国々の考えや事情は眼中にもない態度を続けた。トランプ大統領の米国第一主義が最も明確に示されたのは、アラスカの天然ガス開発に言及した箇所だ。「アラスカに巨大なパイプラインを作るために努力している」としたうえで、「日本や韓国などの様々な国が、それぞれ数兆ドルの投資をしようとしている」と述べた。自身が要求すれば、韓国と日本が液化天然ガス(LNG)の開発に対する経済性も考慮することなく、巨額の投資を引き受けると自信を持っているのだ。グリーンランドについても「自分の運命を決めるあなたたちの権利を強く支持する」としながらも、この地域が米国の「国家安全保障には必要だ。われわれはなんとかして、それを手に入れるだろう」と繰り返し述べた。

 特に、米国からの輸出品に対しては「韓国の平均関税は4倍も高い」と主張し、「われわれは、軍事的に別の方法で韓国を助けているにもかかわらず、現実はこうだ。これが、友人と敵がわれわれにしていること」だと述べ、公開の場で攻撃した。これは、最恵国待遇の関税率の差に言及したものとみられるが、実際には、韓米自由貿易協定(FTA)によって、両国間の貿易はほとんど無関税で行われており、米国製輸入品に適用される韓国の平均関税率は0.79%に留まっている。しかし、事実関係はどうであれ、トランプ大統領は近い将来、自身が望むものを引き出すために、関税圧力はもちろん、防衛費分担金の大幅引き上げや在韓米軍縮小の脅しなどをかけることは、目にみえている。

 この日の演説を通じて、トランプ大統領の任期中、「米国第一主義」が具体化し、特に韓国が直接的な対象国になることが、さらに明確になった。不正選挙論などフェイクニュースに浸っている場合ではない。12・3内乱事態を1日も早く収束させ、超党派的な対応に乗り出さなければならない。

2025/03/05 19:29
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/52584.html

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