【コラム】「力」に心酔したトランプ、米国が80年間築いた世界秩序を捨てた(2)

投稿者: | 2025年3月6日

中長期戦略では、まず軍事的自強だ。まだ韓米同盟は重要だが、韓国の安保を米国に依存するのが難しい状況が訪れる可能性がある。その時に対応して潜在的な核能力を含む国防力を強化し、対北朝鮮抑止を韓国の力で可能になるよう準備しなければいけない。米国防次官は在韓米軍は対中国抑止に、韓国軍は対北朝鮮抑止に集中するべきだと主張した。

2つ目、韓国はその間、あまりにも米中大国外交の枠に閉じ込められてきた。もちろん北朝鮮問題を考慮すると、両国の間で賢明な外交をするのは重要だ。しかしもう我々の国力に合わせて外交的な視野と空間を大きく拡張しなければいけない。何よりもグローバルサウス国家、中でも特に世界3位の経済大国に向かう民主国家インドとの関係を強化するのがよい。

 3つ目、多国間機構が力を失っている時期に日本・欧州・カナダ・オーストラリアなど方向が合う先進民主主義国家との格子状ネットワークをより一層強化する必要がある。強大国政治の荒波を共に解決していきながら国際的な規範を維持していくパートナーを多数確保し、我々の外交の地位も高めていかなければならない。

最後に強調したいのは国内の政治的な団結だ。力が正義という世の中で北朝鮮の脅威は強まり、韓米同盟の不確実性は増大するが、我々は今、極度に分裂している。こうした分裂は強大国の勢力政治が国内政治に流入し、国を破滅に向かわせる隙をつくる。その経験は旧韓末の一度で十分だ。当時とは違って今は我々にそれなりのカードもある。このカードをまともに使うためには談合しなければいけない。したがって分裂と対立を触発する故障した政治制度、すなわち勝者が独占する帝王的大統領制をこの機会に必ず改革しなければいけない。一刻を争う。

◆尹永寬(ユン・ヨングァン)元外交通商部長官=ソウル大外交学科教授、外交通商部長官を経て現在ソウル大名誉教授、峨山政策研究院理事長

2025/03/06 11:05
https://japanese.joins.com/JArticle/330765

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