韓国の外貨保有額、4年9カ月で最低…「国民年金の外国為替スワップ拡大が影響」

投稿者: | 2025年3月7日

 先月の韓国の外貨保有額が2カ月連続で減少し、4100億ドルを下回った。為替レートの防衛用として締結した国民年金との外国為替スワップの取引が増えたことによる影響だ。

 韓国銀行が6日に発表した外貨保有額の集計によると、2月末時点の外貨保有額は4092億1千万ドルで、1月末より18億ドル減少した。全体の外貨保有額の規模は、2020年5月末(4073億ドル)以来、4年9カ月ぶりの最低水準となった。外貨保有額は、昨年末に4156億ドルから12億ドル増加したのち、今年1月(46億ドル減少)から2月にかけ2カ月連続で減少した。

 韓国銀行は「2月中の米ドル安の影響で、他の通貨建ての外貨資産のドル換算額が増加したが、国民年金との外国為替スワップの規模拡大などによって、外貨保有額が減少した」と説明した。

 外国為替当局は、非常戒厳事態後に為替レートがウォン安ドル高になると、国民年金との外国為替スワップの上限を、これまでの500億ドルから650億ドルに引き上げた。外国為替スワップは、国民年金が国外資産の購入に必要なドルを、外国為替市場ではなく、外貨保有額から調達し、後にドルで返済する方式だ。ドル需要を減らす効果はあるが、一時的な外貨保有額の減少要因になる。

 先月、主要6カ国の通貨に対するドルの価値を示すドルインデックスは、約0.5%下落した。当局が為替レート防衛のために市場に直接介入した規模は、前月ほどは大きくなかったとみられる。外貨保有額の構成を資産別にみると、国債・社債などの有価証券が46億4000万ドル減となり、最も大きく減少した。国民年金に支払うためのドル売りが反映されたとみられる。

 韓国の外貨保有額の規模は、1月末時点(4110億ドル)で世界9位となっている。中国が3兆2090億ドルで最も多く、日本(1兆2406億ドル)、スイス(9173億ドル)、インド(6306億ドル)、ロシア(6208億ドル)、台湾(5776億ドル)、サウジアラビア(4343億ドル)、香港(4215億ドル)の順だ。

2025/03/06 10:57
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/52597.html

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