「負債もっと増やせ」解決先送りする韓国政府…自営業負債の悪夢始まる

投稿者: | 2025年3月10日

韓国の自営業者の負債問題は果たしてだれが解決すべきだろうか。自営業者自ら解決しにくい状況になった以上、韓国政府と金融圏が一肌脱がなければならないという世論が優勢だ。だがこれまでこれらが見せた姿は期待に大きく及ばなかったのが事実だ。

専門家らは政府が出した各種対策に対し「破局を先送りするばかりで『時限爆弾ゲーム』式の対策」と批判する。実際に韓国政府は昨年7月と12月に自営業対策を出したが、根本的な対策といえるものは見当たらなかった。▽政策資金償還延長対象者拡大▽貸付償還期間延長▽低金利商品への借り換えプログラム活性化など、負債償還期限を延期したり負債をさらに増やすようにする内容が大部分だった。

 ソウル・冠岳区(クァナクク)の自営業者イ・デジョンさん(52)は「コロナ時局にとり急ぎ政府の低利貸付を多く受けて莫大な借金に陥り廃業もできなくなっている人たちが相当数。貸付支援は潰れる時期を遅らせるだけで究極的な支援にはならない」と訴えた。政策未来小商工人研究所のチョン・ウォンソク代表は「貸付延長政策はむしろ(貸付期間拡大により)利子負担だけ加重する格好」と指摘した。

金融圏は高利貸付形態までみられる。全国銀行連合会消費者ポータルによると、1月末基準で個人事業者向け信用貸付残高のうち36.9%が年6%以上の高金利貸付だ。年5%以上に拡大すれば全体の71.7%に達する。年4.68%である銀行貸付平均金利よりはるかに高い。貯蓄銀行や保険会社、消費者金融などの貸付金利は年10%を大きく上回る。

フランチャイズベーカリーを運営していたが廃業したナム・ミヨンさん(仮名、52)は貸付金平均金利が年12%だ。それでも彼は「他の人たちと比較すればそんなに高くない方だ」と話す。

零細自営業者はこれといった担保がなく信用貸付を受けなければならないが、金融圏は「信用評価が難しい」という理由で高金利を策定している。これに加え2020年のコロナ禍当時に先を争って受けた貸付がこれから本格的な元金償還期に差しかかる。自営業負債の「悪夢」はこれからが始まりという意味だ。その上非常戒厳事態とトランプ大統領再執権など内外の政治混乱で景気がさらに厳しくなり、金を稼いで負債を返すことがますます難しくなっている。

仁川(インチョン)大学貿易学部のオク・ウソク教授は「投機性貸付は減らす余地もあるが、自営業者貸付のような生計型貸付は防ぐのも減らすのも難しい。いまここで問題がもっと大きくなればドミノ式負債危機につながりかねない」と警告した。

それならどのようにすべきだろうか。チョン代表は「まず▽好調な所▽ある程度持ちこたえられる所▽厳しい所――などに自営業者を細分化し、状況に合わせた支援案を用意しなければならない」と診断した。実際に米国にはターンアラウンド・マネジメント協会、日本には中小企業活性化協議会など、自営業者の実態を診断して再建と廃業を支援する専門機関がある。これらの機関では会計、法律、金融などの専門家が危機の自営業者を対象に細かく定量評価をした後に、再建または廃業の可否を判断してくれる。再建が可能と判断されれば政府支援を受けられるよう直接つなぐ。韓国にも中小ベンチャー企業部と小商工人振興公団の「希望リターンパッケージ」のような類似プログラムがあるが、コンサルティングや就業教育にばかり焦点が合わされており、予算も年2450億ウォン(約249億円)水準にすぎない。中小ベンチャー企業研究院のキム・ギョンミン上級研究員は「専門家の診断を基に債務の棒引き、利子調整、財政支援、個人回復・破産支援などオーダーメード型処方をしなければならない」と話した。

高金利商売問題を解決するためには初期貸付段階から事業性と信用度に基づいて適正な金利が策定されるようシステムを整備する必要があるとの主張も出ている。「自営業者など金融脆弱階層対象中金利貸付供給」という設立趣旨をまともに履行できなくなっているインターネット専門銀行に対し検査と整備が必要という意見もある。

2025/03/10 11:11
https://japanese.joins.com/JArticle/330912

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