福島原発事態14年…「バナナ花が開きました」(1)

投稿者: | 2025年3月10日

1万5900人の死者と2520人の行方不明者。2011年3月11日午後2時46分、東日本を襲ったマグニチュード(M)9.0の巨大地震が残した傷だ。建物をのみ込んだ14メートルを超える津波、そして福島第1原発の爆発。11日で東日本大震災からちょうど14年となる。福島原発の廃炉、そして復活に向けて努力している福島県を2月27日に訪問した。

「バナナを花を初めて見たでしょう」。福島原発から南に約30キロ離れた広野町。広野町振興公社の中津弘文代表が咲いた花に指を差した。バナナの花だ。中津代表は公園の土地を借りて温室を作り、2018年からバナナ事業を始めた。中津代表が植えたバナナの苗木は150株。毎年1万個ほどのバナナを収穫している。中津代表は「町をどのように戻すかを悩んで選択したのがバナナだった」と語った。大震災の前まで5400人の住民が暮らしていたが、昨年3月基準でここの人口は4530人。まだ10%の住民は故郷に戻っていない状況だ。99.9%を輸入に依存するバナナを日本で生産するという夢をかなえたが、事業は赤字だ。温室で育つバナナ1本にかかる費用は約550円。しかし販売価格は200-300円だ。中津代表は「売るほど赤字になるのも課題だが、住民の心の傷を早期に治癒するのが大きな宿題」とし「年間およそ1万5000人が視察のために訪ねるが、地域民にはこの訪問がありがたいこと」と説明した。

 温室を出て福島原発の近隣地域に向かった。あちこちに黒い大きなビニールで覆われている土が目に入った。除染土(汚染土)だ。日本政府は避難指示が発令された地域を対象に、汚染した土を深さ5センチまで取り除く作業をしてきた。このようにして生じた除染土を原発近隣の双葉町などに設置した中間貯蔵施設に積んでいる。積まれた除染土は今年1月基準で1406万立方メートル。長さ25メートルのプールの2万8000個、東京ドームの11倍にのぼる量だ。

日本政府は被ばく線量が年間50ミリシーベルト(mSv)を超える区域を居住はもちろん出入りも難しい帰還困難区域に指定して管理してきたが、土壌除去作業を始めながら2022年から帰還困難区域を徐々に解除し始めた。

環境省の案内で110カ所の中間貯蔵施設のうち1カ所に向かった。環境省の関係者が安全帽と手袋、放射線測定機を配った。現場で測定した放射線量は1時間あたり0.291マイクロシーベルト。在韓日本大使館が毎日X(旧ツイッター)に載せる空間線量率によると、ソウル(7日基準で0.125マイクロシーベルト)より高い数値だ。しかし国際放射線物質露出許容量(年間1ミリシーベルト)を根拠に日本環境省が提示した基準値(1時間あたり0.23マイクロシーベルト)に比較するとやや上回る水準だった。環境省の関係者らは福島県から集めた除染土がここに積まれていると説明した。浸出水が漏れないよう数種類ものシートをかぶせて管理しているという。

2025/03/10 16:13
https://japanese.joins.com/JArticle/330934

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