福島第1原発が見渡せる地域に移動した。道沿いには大震災当時に津波で半壊した家がそのまま残っていた。大熊町にある老人ホームのサンライトに到着すると、ガラス窓の向こうに倒れた椅子や毛布、服類が目に入る。あわてて避難した痕跡がそのまま残っているここは14年前までも町の高齢者の療養施設だったが、今は環境省が中間貯蔵施設現況を見る展望台となっている。案内を受けて仮設)階段を上がると、福島原発近隣に積まれた除染土が目に入った。
康環境省の戸ヶ崎康企画官は「大きな除染作業は終わり、中間貯蔵施設に搬入したが、今後も小さな部分を除染していく」と説明した。災害当時、双葉町と大熊町に住んでいた人は約2700人。しかし津波と原発事故のため住民は故郷を離れた。帰還困難区域となった故郷に戻ることができない人たちは中間貯蔵施設事業のために家の跡地と町を除染土貯蔵場所として譲った。戸ヶ崎企画官は「双葉町も帰還困難区域だったが、除染をしながら一昨年から戻ることが可能になった」と話した。しかし除染作業や建物建設のための作業者が大半であり、実際の住民の復帰は多くない。
両町の除染土は日本政府の大きな悩みの一つだ。日本政府は2045年3月までに福島県外で最終的に処分すると約束した。しかし東京ドーム11個分量の除染土を首都圏など福島県の外に送って使用できるようにするのは容易でない。住民の反発のためだ。このために最近、双葉町はこの除染土を双葉町に先に使用する意向を表したりもした。首都圏など他の地域で使用することを望む思いを込めてだ。
環境省は福島県に作った道路建設実証事業現場に案内した。除染土は濃度によって分離し、熱処理、吸着処理などの過程を経て再利用が可能な状態にするが、これを活用したのだ。高さ5メートル、幅8メートルの2車線道路と幅2.5メートルの歩道を想定した道路が実証対象だ。片方には浸出水を管理して検査する施設がある。安全性検査のためだ。道路のほか2021年から除染土を農地の造成に使う実証事業も進行中だ。飼料用トウモロコシなどを植えて安全性の検証をしている。戸ヶ崎企画官企画官は「除染土をどこで使用するかはまだ決まっていない状態」とし「今年基準を設けて意味を説明していく」と説明した。
2025/03/10 16:14
https://japanese.joins.com/JArticle/330935