関税戦争に国内生産削減不可避の岐路に立った現代自動車とトヨタ

投稿者: | 2025年4月8日

トランプ米大統領の関税爆弾が世界の自動車メーカーの供給網再編につながっている。企業は先を争って米国内生産を増やす一方、関税リスクが比較的少ない欧州市場を攻略する動きも慌ただしくなっている。これに伴い、現代自動車とトヨタなど韓国と日本の企業は国内雇用を減らす案をめぐり悩みが深まるものとみられる。

日本経済新聞などによると、トヨタは2027年までに電気自動車15モデルを生産する計画だと明らかにした。電気自動車の生産拠点を日本だけでなく、米国とアルゼンチンなどに拡大した点が特徴だ。同紙は「トランプ米大統領が輸入自動車に25%の追加関税を課すなど世界経済がブロック化に向かう中、グローバル企業が供給網の分散に動き出す」と解説した。

 ◇国内生産削減不可避の岐路に立った現代自動車とトヨタ

トヨタの供給網は全般的に再調整される見通しだ。トヨタの今回の発表では海外生産拠点に移転する生産量は電気自動車に限定されているが、関税の余波が長期化すればハイブリッドカーなど他の車種に対する生産拠点移転も避けられないためだ。トヨタは昨年米国で233万台を販売したが、日本から米国に輸出した車は20%に当たる53万台に達する。関税を避けるためには現地生産を増やさなければならない。

トヨタが海外生産拠点を多角化するほどこれまでトヨタが守ってきた日本国内300万台の生産戦略が揺れることになるとの見通しも出ている。トヨタは中小企業を含め日本で6万社に達する取引先と協力している。日本経済新聞は「300万台は日本での雇用や供給網、ものづくりの技術を維持するために必要」と分析した。

現代自動車グループも状況は同じだ。昨年現代自動車と起亜は米国で約171万台を販売し過去最大の実績を上げた。このうち約100万台は韓国国内で生産し輸出した。関税の影響を減らすためには現地生産拡大が必須だ。現代自動車グループは米国での生産拡大に向けジョージア州の現代自動車グループメタプラントアメリカ(HMGMA)の生産台数を50万台まで拡大する計画を発表した。

現代自動車と起亜だけでなくジェネシスの一部まで生産する計画が発表され、現代自動車労組では国内事業所の雇用減少につながりかねないと懸念の声を出している。現代自動車は雇用減少に対しては言葉を控えているが、生産台数を調整すれば人材再配置がともなうほかないという見方が出ている。

大徳(テドク)大学自動車学科のイ・ホグン教授は「米国内生産を増やすことで一度に(輸出を)代替できるものではない。韓国政府がクオータ制ででも一部関税を猶予するなどの交渉を持続して推進する必要がある」と話した。

◇振るわなかった欧州市場再攻略する現代自動車

供給網調整だけでなく販売戦略も立て直している。現代自動車グループは昨年振るわなかった欧州市場を集中攻略する。また、昨年上場したインド市場でも国民車の地位を固める計画だ。

昨年現代自動車と起亜は欧州で106万台、インドで86万台の販売実績を記録した。米国販売台数の171万台を上回る規模だ。欧州の場合、前年比で販売台数が4%ほど減ったが今年はエコカーを中心に需要回復が予想されるだけに、電気自動車を中心にしたエコカー販売に集中する計画だ。現代自動車は「キャスパー・エレクトリック」に続き大型電気スポーツ多目的車(SUV)の「アイオニック9」を発売し、起亜は欧州で準中型電気セダン「EV4」を出す予定だ。

現代自動車グループは欧州のほかにインド市場にも力を入れている。昨年インド証券市場に上場して豊富な投資資金を確保しただけに今年はインド市場を積極的に攻略する計画だ。1月にはインドの国民車と呼ばれる小型SUV「クレタ」を電気自動車バージョンで発売しエコカー市場にも進出した。現代自動車は現地戦略モデルのクレタEVを前面に掲げ、インド全域に600カ所の高速充電所を設置し電気自動車インフラ構築にも出る計画だ。

2025/04/08 10:02
https://japanese.joins.com/JArticle/332260

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