巧妙な海外ブランド買収…名前維持して現地家電市場に入り込む中国

投稿者: | 2025年4月8日

中国の家電メーカーが日本に続き北米と欧州市場にまで勢力を広げている。単純にコストパフォーマンスの良い製品を掲げる戦略ではない。現地の有力ブランドをまるごと買収合併して「メイド・イン・チャイナ」というレッテルを巧妙に隠して自然に入り込んでいる。

かつて「外国製家電の墓」と呼ばれた日本を最近は中国家電メーカーが掌握した。日本はソニー、パナソニック、三菱など屈指の電子企業が多く、海外ブランドには閉鎖的な方だ。すると中国企業は日本ブランドを買収し、その名前を維持しながら製品を発売する現地化戦略を取った。

 ハイセンスは2017年に東芝のテレビ事業を、美的グループは東芝の生活家電事業を買収し、シャープは台湾のフォックスコンに移った。ハイセンスは東芝を買収した後も東芝が薄型テレビ製品に使っていたブランド名の「レグザ」をそのまま維持した。買収された事実を知らない消費者が日本製品と考えて購入を継続する点を狙ったのだ。

買収合併で中国色を隠す戦略は的中した。日本のBCNリサーチによると、昨年日本の薄型テレビ市場で中国メーカーのシェアは50%を超えた。関連統計を集計し始めた2004年以降で初めてだ。約4%にすぎなかった2016年と比較すれば飛躍的な成長だ。1位はハイセンスが買収したレグザの25.4%だ。レグザ以外のハイセンス製品のシェアが15.7%で、別の中国家電メーカーTCLの9.7%を合わせると合計で50.8%だ。日本のメーカーであるソニーは9.6%、パナソニックは8.8%にとどまった。中国に押されたパナソニックは2月にテレビ事業から撤退することを検討していると明らかにした。

中国企業の買収合併戦略は日本に限定されない。2016年に米ゼネラルエレクトリック(GE)の家電部門を54億ドルで買収した中国ハイアールは、GEのシェアをそのまま吸収した。市場調査会社トラックラインが発表した昨年の米国内家電6種類のシェアを見ると、GEは17%でLGの21.1%、サムスンの20.9%に次いで3位だ。GEを買収する前のハイアールの米国内シェアは1%水準にとどまっていた。

ハイアールグループはニュージーランドのフィッシャー・アンド・パイケル、イタリアのキャンディなど各国のグローバル家電メーカーも買収している。業界関係者は「中国は欧州のビルトイン市場にも力を入れている。伝統ある現地ブランドを買収することで参入するのが難しいことで知られる欧州のB2B(企業間取引)市場に入り込もうとする戦略」と話した。LGエレクトロニクスのリュ・ジェチョルHS事業本部長は昨年4月にイタリアで開かれた「ミラノデザインウィーク2024」の記者懇談会で、「最も脅威的なメーカーがハイアールだ」と言及している。

中国の全方向的な攻勢は韓国企業も脅かしている。市場調査会社のオムディアによると、昨年のテレビ出荷台数基準で中国企業の世界のシェアは31.3%で、28.4%の韓国企業を初めて上回った。サムスン電子とLGエレクトロニクスは人工知能(AI)技術を前面に掲げた新製品を出すと同時に新市場を攻略している。

突破口として目を付けたのはインドだ。世界的市場調査機関のレッドシアーリポートによると、LGエレクトロニクスは昨年上半期のインド市場で、洗濯機で33.5%、冷蔵庫で28.7%、テレビで25.8%、エアコンで19.4%といずれもシェア1位を記録した。LGエレクトロニクスは今年5月にインド法人を上場し、最大15億ドル(約2216億円)の資金を調達し、インドを含む西南アジア市場に特化した製品開発に投資する計画だ。

2025/04/08 10:50
https://japanese.joins.com/JArticle/332267

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