まるで拷問椅子…中国南方航空の「超薄型座席」に批判殺到

投稿者: | 2025年4月19日

 中国の航空会社が「超薄型座席」を導入し、論議を呼んでいる。搭乗客の間では賛否が分かれており、専門家の間では安全性に対する懸念の声が上がっている。

 中国・能源網など現地メディアが17日に報じたところによると、中国南方航空はこのほど、従来の座席の厚さを半分にした「超薄型座席」を導入した。

 同航空が超薄型座席を導入したのは業績改善のためだという。従来の座席よりも薄いこの座席を導入すれば、機内の座席を14-28席増やすことができ、年間で最大3億元(約58億円)の増収になるというのだ。

 これを巡り、搭乗客の間では「まるで拷問椅子だ」「腰が痛くて長時間の搭乗は無理」「格安航空会社(LCC)みたいな座席だ」などと否定的な声が相次いだ。ただし一部では「短い距離なら我慢できる」「思ったより悪くない」などの反応も見られた。

 航空機の座席が薄すぎると外部の衝撃を十分に吸収できない、という懸念も示された。

 日本の航空評論家でパイロット出身の杉江弘氏は、フジテレビの番組で「乱気流や着陸の際に飛行機が強い衝撃を受けた場合、薄い座席が衝撃を吸収できるのか不安だ」として「衝撃を吸収できなければ乗客の頭や背中、腰に影響を与える恐れがある」と指摘した。

 このところ中国の航空業界は機内サービスを簡素化する動きを見せており、中国南方航空による超薄型座席の導入はその一環だ。

 中国の航空業界は深刻な業績悪化を改善するために、機内サービスを簡素化し、コスト削減策を相次いで導入している。中国東方航空や厦門航空などの場合、一部路線で機内食を省略し、水とパンだけ提供している。

 航空会社のサービス品質が低下し、大手航空会社が実質LCCレベルまで転落したという批判も聞こえてくる。

 中国社会科学院財経戦略研究所のウェイ・シアン研究員は「航空会社はコスト削減を進めるにしても、限られた費用で安全性や利便性、サービス品質を確保することなどを優先的に考えるべきだろう」と指摘した。

 この騒動に対し、中国南方航空は「座席の安全性を考えて制作した」として「座席間の距離は従来と同じであるため、乗客のスペースがより広くなる」と説明した。

キム・ジャア記者

2025/04/19 08:30
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/04/18/2025041880116.html

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