24日午後9時から米ワシントンD.C.で、韓米の財務相と通商相が出席する「韓米2プラス2通商協議」が開催される。韓国政府は「交渉」ではなく「協議」だと主張しているが、事実上、本格的な関税交渉がはじまると考えるべきだ。米国の速攻に押されて国益を損なう交渉が行われないよう、交渉団は慎重かつ断固たる態度で臨まなければならない。
このところ米国のドナルド・トランプ大統領は、関税戦争に対する中国の強硬対応、株式・債券市場に漂う不安、景気低迷に対する懸念、支持率の下落、反政府デモの激化などの内外の悪材料に直面している。トランプ大統領としては、優先交渉の相手とした韓国、日本、オーストラリアなどの同盟国との関税交渉で成果がほしいはずだ。今回の韓米協議も、米国側の提案で実現したものだ。トランプ大統領が今月16日の日米の大臣級関税交渉に「サプライズ登場」し、在日米軍の駐留費用の増額などを迫ったことも、同じ脈絡で解釈できる。今回の韓国との交渉でも、このような変則的な行動を取らないという保証はない。交渉団はあらゆるケースに備えて、しっかりと準備すべきだろう。
今月1日から20日までの対米輸出額は14.3%も減少している。トランプ政権による関税の影響で、すでに輸出が萎縮しているのだ。現在、鉄鋼・自動車製品には25%の関税が、その他の製品には10%の基本関税が適用されている。韓国としては、対米交渉を通じて鉄鋼・自動車に対する品目別関税と、90日間猶予されている25%の相互関税をできうる限り引き下げなければならない。しかし、いくら焦っているからといって、長期的に韓国にとって損害となる交渉を進めてはならない。トランピズムはこのところ激しい逆風にあっており、関税政策もどう動くか分からない状況だ。目に見える成果を急ぐ米国側が強引に進めても、それに動揺することなく、交渉のスピードを調節しなければならない。
何よりも、在韓米軍防衛費分担金の増額、アラスカの液化天然ガス(LNG)事業への参加などは、慎重を期すべき事案だ。トランプ大統領の「ワンストップ・ショッピング」をうんぬんする戦略に乗せられてはならない。今回の交渉は単なる関税率引き下げ交渉ではなく、「トランプ政権と韓国新政権の4年間の経済および安保協力の全体像を描く交渉」(ヨ・ハング元通商交渉本部長)とも考えられる。残り40日あまりに過ぎない大統領権限代行体制で、慌てて結論を出すべきではないということだ。
2025/04/22 18:01
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