ソウルを旅行する外国人観光客のトレンドが変わっている。米国、英国、フランス、ロシア、フィリピンの人たちに混じって山に登った。アルプスやヒマラヤのような世界的な山脈ではない。ソウルの冠岳山(クァナクサン、632メートル)に上がった。韓国登山ブームの実体を確認してきた。
◇K-POPと韓国ドラマに続く韓国登山人気
広蔵(クァンジャン)市場での食べ歩き、韓服を着て景福宮(キョンボックン)散策、聖水洞(ソンスドン)ショッピングツアー、韓国ドラマ撮影地訪問などが外国人観光客におなじみのソウル旅行の定番だ。最近の意外な発見は韓国登山人気だ。
北漢山(プッカンサン)、北岳山(プガクサン)、道峰山(トボンサン)、冠岳山、峨嵯山(アチャサン)、仁王山(イヌァンサン)などソウルの名山のどこでも外国人観光客を見かける。インスタグラムで「seoulhiking」「hikingseoul」「hikinginseoul」などのキーワードで検索すれば、1万件を超える投稿があふれる。都心と山が交わった環境と高いアクセス性が人気の秘訣に挙げられる。「地下鉄(バス)を降りてすぐ登山を始めたよ! すごくない?」のような経験談が続く。
ソウル登山観光センター。韓国人には見慣れないかも知れないが、外国人観光客の間ではとても有名な場所だ。ソウルの山を訪れる人に向けた案内センターであり休憩所の役割をする所だが、外国人観光客の間で口コミが広がった。英語や日本語など多国語案内サービスだけでなく、登山靴、登山服、ステッキなどの登山装備も2000~5000ウォンの手頃な料金で貸し出す。ロッカー、ラウンジ、シャワー室も備えた。おかげで敷居が大きく下がった。登山装備がなかったり旅行情報が不足する外国人も負担なく山に登ることができる。
2022年にオープンした北漢山店と翌年オープンした北岳山店、そして先月オープンした冠岳山店の3カ所のセンターがあり、累積訪問客数は8万人を超える。北岳山店の場合、訪問客約2万2000人のうち48%が外国人だ。北漢山店は20~30代の割合が70%を超える。
ソウル登山観光センターを運営するソウル観光財団のキル・ギヨン代表は「都心で山に登り、観光地に下山できる世界唯一の首都がソウル」と話した。
◇八角亭ではラーメン、下山後にはマッコリ
先月26日、ソウル登山観光センター冠岳山店を訪ねた。登山シーズンであることを考慮しても期待以上だった。外国人でセンター内はあふれていた。パッと見ただけで25人ほどが見え、大部分が20~30代の若い外国人女性だった。米国、フランス、英国、ドイツ、フィリピン、インドネシアなど出身国も多様だった。短期旅行者だけでなく韓国とフランスの国際カップル、留学生、ソウルで1カ月暮らす旅行者、インフルエンサーもいた。
外国人観光客とともに冠岳山に上った。20を超えるという冠岳山コースの中でも最も険しいコースを歩いた。稜線に上がると視野が大きく開けた。汝矣島(ヨイド)から漢江(ハンガン)、市内までひと目で見渡せた。
「K-POPしか知らない友人にこの風景を見せなくては」「漢江がとても長くてすばらしい」などあちこちで感嘆が続いた。人種と国は違っても登山の風景は似ていた。頂上に立つとみんな指でハートを作って記念写真を撮った。はためく太極旗の前は外国人が多く集まった。
インドネシアから来たビビさん(38)は「ソウルの山はアクセス性とインフラがすばらしい。西大門(ソデムン)の鞍山(アンサン)によく行くが頂上でもWi-Fiが使える」と感心した。フランスから来たカミーユさん(32)は「韓国で登山は女性1人でも安心して楽しめる文化」と話した。
外国人対象の山岳プログラムを15年間運営してきた登山家のキム・ソンウォンさん(62)は「北岳山の八角亭でカップめんを食べ、下山後にマッコリを飲むなど韓国の登山文化をすでによく知っている。少なくともソウルの山で外国人と出会うのはもう普通のこと」と話した。
2025/05/08 17:57
https://japanese.joins.com/JArticle/333544