韓米海軍が北朝鮮特殊部隊の浸透状況を仮定した連合海上訓練を実施した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が最近、新しい海上国境線と推定される「中間界線海域」という用語を使用し、北方限界線(NLL)無力化のための海上挑発の可能性を高めたことに対する警告レベルと解釈される。
海軍によると、韓米は8日から11日まで東海(トンヘ、日本名・日本海)上で連合海上訓練を実施した。韓国からは海軍イージス駆逐艦「栗谷李珥(ユルゴクイイ)」(7600トン級)をはじめ、水上艦、潜水艦など艦艇10余隻とP-3海上哨戒機、AW-159・リンクス(Lynx)海上作戦ヘリコプター、FA-50・KF-16空軍戦闘機など航空機10機が参加した。米国側からはイージス駆逐艦ローレンス、P-8海上哨戒機が出撃した。
今回の訓練は毎年2回実施する定例連合海上訓練の一環で、最近の北朝鮮の海軍力強化の動きの中で実戦的に進行された。北朝鮮が海上・水中・空中で同時多発的に挑発する複合的な状況の中で韓米戦力が即刻撃滅する流れに熟達したと、海軍は説明した。
実際、北朝鮮は先月25日、初の5000トン級駆逐艦「崔賢(チェ・ヒョン)」進水式を開いたのに続き、同月28、29日に射撃など「崔賢」の武器体系試験を実施した。金正恩委員長は進水式で「遠洋作戦艦隊を建設し、遠海での作戦能力を保有する」とし「艦船を沿岸防御水域と中間界線海域で平時作戦運用することになる」と述べた。また武器体系試験場では「強力な攻撃能力を前提とする主動的で攻勢的な防御体系を樹立することが重要だ」と話した。NLLを否定する新たな海上境界線の防御を口実に挑発する可能性があることを示唆した。
これを受け、韓米は北朝鮮の特殊部隊が東海上に浸透する状況を仮定して今回の訓練を実施した。海軍の関係者は「NLLを南下する北の特殊戦戦力を現場で早期に撃滅する海上対特殊戦部隊作戦(MCSOF)訓練に重点を置いた」とし「水中から浸透する敵の潜水艦を探知・識別・追跡・撃滅する連合対潜戦訓練も行った」と説明した。このほか、空中に浸透した敵の無人機対応訓練、局地挑発対応訓練、大量破壊兵器(WMD)海洋拡散遮断訓練、海上機動軍数訓練なども行われた。
今回の訓練を指揮したリュ・ユンサン第1海上戦闘団長(准将)は「敵の多様な海上挑発状況に対応した連合・合同作戦遂行能力をより一層強化することができた」とし「韓米連合海軍の圧倒的な戦力で、敵のいかなる挑発に対しても強く懲らしめる」と強調した。
2025/05/12 09:59
https://japanese.joins.com/JArticle/333630