中国人民日報「1~2回の談判で解決は非現実的」米国の譲歩圧迫

投稿者: | 2025年5月12日

11日にスイスのジュネーブで2日目となる米中貿易交渉が始まる中で、中国は国営メディアを動員して米国を圧迫した。

中国共産党機関紙の人民日報は11日、「現地時間10日午前に米中経済貿易ハイレベル会談がスイスのジュネーブで始まった。何立峰副首相が米国側代表であるベッセント財務長官と会談した」と2面で短く報道した。

 人民日報は前日に会談長期化を予告した。10日付社説で「談判は対立を解消する必要な措置だが1~2回の談判で問題を解決するという希望は非現実的」と指摘した。米国の譲歩を引き出すために時間を長引かせることも辞さないという趣旨の発言とみられる。ただ社説は「平等な対話は大国間の問題を解決する正確な道」としながら交渉を肯定的に評価した。

国営新華社通信は初日の会談が終わった後にコラムを通じ「スイスでの接触は問題解決を追求する重要な第一歩。問題の最終解決には十分な戦略的忍耐と国際社会の正しい声援が必要だ」と主張した。対米輸出の崖が現実化し倒産の危機にさらされた中国の輸出企業と国際社会を相手にした世論戦を広げようとする趣旨とみられる。

中国中央テレビ(CCTV)のSNSアカウント「玉淵譚天」は9日、関税に対する米国の消費者の否定的反応が2月の30.9%から5月の48.7%に増え、中立意見は60.7%から47.5%に減ったと強調した。その上で「中国は米国の企業と消費者の要求を考慮して米国との交渉に同意した。交渉と闘争の主導権は中国の手にかかっている」と主張した。

初日の会談終了後、玉淵譚天はウェイボーに「米国との会談直前に中国はアルゼンチンの輸出企業と大豆、トウモロコシ、植物性油を購入する意向書を締結した。4月末にはブラジル大統領府長官が中国を訪問し最小240万トンの大豆購入契約を締結した」と明らかにした。中国が多様なチャンネルで米国産品の代替品を探しているという一種の圧迫策略だ。

中国の専門家は、米国で中国からの輸入品在庫が底をつく6月末まで交渉は頻繁に開かれると予想した。上海交通大学の盛九元教授は「6月までに米中会談が集中して開かれるだろう。われわれはそれに先立ち協議を達成してハードランディングを回避することを希望する」と明らかにした。

◇「関税戦争で最大1600万件の雇用失われる恐れも」

中国国営メディアの自信と違い経済数値は悪化傾向だ。中国海関総署によると4月の中国の対米輸出は前年同期比21%減の330億ドルとなった。輸入は14%減の125億ドルを記録した。4月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年同期比0.1%下落して3カ月連続で下落した。野村証券は米国との貿易戦争で最大1600万人の雇用が失われるかもしれないと試算した。

これまで米国の高率関税に強硬対応を主張してきた中国が王小洪公安部長をスイスに派遣してフェンタニル問題解決の意志まで見せたのは国際的孤立に対する懸念のためだとロイターが報道した。北京事情に明るい消息筋は「ベトナム、インド、日本のような主要貿易パートナーがワシントンと交渉を始め、北京は交渉テーブルがなくなることを懸念している」とロイターに明らかにした。孤立を懸念する中国の本心は商務省の声明にも表れた。中国商務省は7日の声明で、米国と交渉中の国を示し「懐柔では平和をもたらすことはできず、妥協は尊重を受けられず、原則的な立場を固守して公平と正義を堅持することだけが自身の利益を保護する正しい方法」と主張した。

中国の交渉チームには任命されたばかりの李成剛国際貿易交渉代表も含まれた。CCTVはスイスのケラーズッター大統領と何副首相の会談を報道しながら李成剛代表、廖岷財務次官、茅俊駐スイス大使代理が参加した映像を報道した。

2025/05/12 11:44
https://japanese.joins.com/JArticle/333646

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