「AUKUS、国防分野のFTAに進化も…最終的には韓国にプラス」

投稿者: | 2024年5月10日

「AUKUS(米英豪の安全保障枠組み)の第2の柱(Pillar2)は国防分野のFTA(自由貿易協定)になる可能性がある」。

最近訪韓したオーストラリアのシンクタンク「ローウィ研究所」のルマウィ研究官は9日、ソウルで開かれた記者懇談会で「AUKUSがFTAと似た交渉力を持つことも考えられる」とし、このように述べた。加盟国間の貿易増進と経済統合を図るFTAのようにAUKUSが進入価値が高い安保利害共同体になり得るという趣旨だ。

 AUKUSは、通常兵器で武装した原子力潜水艦をオーストラリアに供与する計画と関連するPillar1と、人工知能など8つの分野の先端・防衛産業技術協力を中心にするPillar2で構成されている。Pillar1は不拡散イシューなどを考慮して従来のAUKUS3カ国の参加に制限したが、Pillar2は事実上、中国牽制に必要な技術協力のために韓国、日本、カナダ、ニュージーランドなどの参加が開かれている状況だ。

ルマウィ氏は「AUKUSは国防・技術協力体であるにもかかわらず、あたかも一種の外交的クラブのように映り、韓国をはじめとする非加盟国に焦りを抱かせているようだ」とし「さらにPillar2の場合はまだ不確かな側面が多く、さまざまな推測が出ている」と話した。

今後のAUKUSの発展シナリオに関しては「加盟国間で技術を共有して国防分野の生態系を構築するには創意性と革新が必要だ」とし「そのためには米国が維持する関連分野の規制がある程度緩和されなければいけない」と指摘した。「AUKUS3カ国間の協議が優先であるため時期尚早ではあるが、最終的には韓国にプラスの方向に進化するだろう」としながらだ。

この日の懇談会には豪州外交安保分野の碩学4人が出席し、インド太平洋地域の地政学的イシューについて議論した。豪州と韓国は海上安保などで利害関係が一致するという声も出てきた。

豪ラ・トローブ大のストラティン教授は、中国戦闘機が最近、北朝鮮制裁を履行した豪海軍のヘリコプターに向けて照明弾を撃ったことに言及しながら「強く懸念される」と指摘した。そして「豪州と韓国は海上の航行の自由を重要視していて、両国をはじめとする通商国には海の道の役割が大きい」と分析した。また「韓国のインド太平洋戦略にある『規則に基づいた国際秩序』『紛争の平和的解決』などの文言が豪州のインド太平洋戦略と非常に似ている」とも分析した。

豪州の国防戦略が最近「選択と集中」に路線を転換したという分析もあった。豪州国立大のカー副教授は「1980年代から2000年代初期まで豪州の戦略的環境は比較的安定していたため、国連や米国と関係に集中することができ、アジア国家とも緊密に経済協力をした」とし「そのような安定した時期にも豪州国内では米国を果たして信頼できるのか、中国との関係はどう進めていくのかなどと意見はずっと交わされていた」と診断した。

続いて「数十年前までは豪州軍が世界を舞台にどう効果的に影響力を発揮できるかを悩んだとすれば、最近は豪州軍が必ず集中すべき分野はどこかを見つけて『選択と集中』をする形に路線が変わった」と伝えた。

豪州戦略政策研究所アナリストのグレアム氏は2020年の中国の貿易制裁などに言及しながら「豪州も韓国が受けた2017年のTHAAD(高硬度防衛ミサイル)報復のように経済的強圧を受けたことがあり、今でも一部続いている」と指摘した。また「豪州は中国に向けて公式的、非公式的に制裁をやめて関係を正常化すべきという意味で安定化(stabilization)を強調している」と述べた。

グレアム氏は「中国発の強圧政策は中国と交流する国であればすべてが直面する問題」と話した。そして中国が北朝鮮、ロシアと密着する現象に触れながら「これは朝鮮半島に限られた問題でなく複雑多端であり、緊密に全世界と連携している」と述べた。

2024/05/10 10:03
https://japanese.joins.com/JArticle/318488

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