「14億人の念願W杯、また水の泡」 中国、出場48カ国拡大もまた「光脱」

投稿者: | 2025年6月6日

14億人の中国人の念願であるワールドカップ(W杯)の夢はまた叶わなかった。W杯出場国が48カ国に増えたが、中国サッカーは「光脱(光速脱落)」した。6回連続で本大会進出に失敗した。

中国代表(FIFAランキング94位)は5日(日本時間)、インドネシアのジャカルタで行われた2026北中米W杯アジア3次予選C組第9戦でインドネシア代表(123位)に0-1で敗れた。

 ブランコ・イバンコビッチ監督(クロアチア)が率いる中国は新鋭のFW選手を先発投入した。パトリック・クライファート監督(オランダ)が率いるインドネシアは帰化選手を7人起用した。

中国はPK1本で敗れた。前半の終了間際、ペナルティーエリア内で中国選手がインドネシア選手を後ろから蹴った。主審はビデオ判定(VAR)の末、PKを宣言した。これをキッカーのオレ・ロメニーがゴール右隈に落ち着いて決めた。

中国はこの日の試合で有効シュートがわずか1本だった。試合終盤の中国選手の絶妙なタックルがなければ、さらに1失点するところだった。結局、中国は1987年以来38年ぶりにインドネシアに敗れることになった。

勝利が必要だった中国は4連敗となり、2勝7敗(勝ち点6)でC組最下位。アジア3次予選では各組1・2位が本大会に直行し、3・4位はプレーオフに進む。

中国は3次予選最終第10戦に勝利しても4位に届かない。同組の日本(勝ち点20点)、オーストラリア(勝ち点16)、インドネシア(3勝3敗3分け、勝ち点12)、そしてサウジアラビアを上回ることができない。中国は3次予選9試合で6得点20失点と、得失点が-14だ。国際サッカー連盟(FIFA)が北中米W杯出場国を従来の32カ国から48カ国に増やしたが、中国は2002年韓日W杯に出場して以降6回連続で本大会進出に失敗した。

中国は昨年9月、日本に0-7で惨敗した。3月のサウジアラビア戦では選手が「クンフーキック」で退場し、試合に敗れた。

中国はこの日、ブラジル・イタリアの二重国籍から帰化したセルジーニョを投入したが、効果はなかった。中国は2019年から巨額を投入して5人の選手を帰化させたが、ブラジルに戻って代表チームの招集に応じない選手もいる。「リオネル・メッシ(アルゼンチン)が帰化しても中国は弱い」という皮肉の声も出ている。

2024パリオリンピック(五輪)で金メダル40個を獲得した中国もサッカーでは結果を出せていない。2011年に習近平国家主席が「サッカー崛起」を叫ぶと、中国大手企業が母体のプロサッカーチームは巨額の年俸を提示して外国のスター選手を次々と迎え入れた。しかし新型コロナ流行後に広州恒大などの中国プロサッカーチームが次々と倒産し、元中国代表監督の李鉄らがサッカー界の八百長や賄賂で捕まった。体系的な選手育成のために設立されたサッカー学校は高い学費のため富裕層の子どもが通う「貴族学校」変わった。ビッグリーグに行く実力でないのに自国リーグで高額年俸を受けた選手たちも非難を浴びている。

英BBCは3月、サッカー強国になるという中国の夢が崩れた理由を分析した。BBCは「サッカーは中国共産党の手中では発展しないようだ。FIFAはサッカーに政治の介入を禁止するが、中国サッカーには政界の人たちが多く、現在の中国サッカー協会の宋凱会長は共産党幹部」と伝えた。あらゆることを上部に報告しなければならない中国で、サッカーに関する決定もサッカーと関係がない人たちが下すが、こうした意思決定方式が競争的なチームスポーツのサッカーをつぶしていると指摘した。

英国に登録されたサッカー選手は130万人にのぼる半面、中国は10万人未満にすぎない。中国サッカーは首都の北京で始まって1990年代にプロリーグがスタートし、下部リーグには関心が向けられなかった。中国でプレーする欧州サッカー選手は「中国の選手は技術的には優れているが、重要な瞬間に『サッカーIQ』が不足する。幼い頃に本能的に学ぶ創意性と意思決定がここ(中国)では見られない」と指摘した。

2012年の執権当時「3つの願いはW杯本大会進出、開催、優勝」と明らかにした習近平主席も10年が経過して中国サッカーをあきらめる雰囲気だ。2023年、中国代表がタイ代表に勝利したことを祝うタイ首相に「運が良かっただけだ。彼ら(中国代表チーム)のレベルは確信できない。起伏がある」と答えた。

こうした中、FIFAは2030年W杯本大会出場国を従来の48カ国から64カ国まで拡大する案を構想中だ。この場合、アジア枠は従来の8.5枚から10-12.5枚まで増えると予想される。これをめぐり、FIFAがグローバルサッカーマーケティングで影響力が大きい中国をW杯に参加させるため敷居をさらに低めようとしているのではという疑惑が強まっている。2022年のカタールW杯当時、中国企業の後援金は1兆9780億ウォン(約2000億円)にのぼった。出場国を拡大するという話にも中国国内では「北京大や清華大が入学定員を増やしても劣等生には関係ない」という反応が出ている。

2025/06/06 10:40
https://japanese.joins.com/JArticle/334677

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