NATO首脳会議に招待された李在明大統領、不参加の代償は参加よりはるかに大きい【6月13日付社説】

投稿者: | 2025年6月13日

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は24-25日にオランダで開催されるNATO(北大西洋条約機構)首脳会議に出席するか今も決めかねているようだ。NATO加盟32カ国の多くが自由民主主義陣営の主要国であり、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後は韓国、日本、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国(IP4)を招待してきた。韓国は3年連続でNATO首脳会議に出席したため今回4回目となる招待を受けた韓国からは、李在明大統領が出席することになる。

 NATOのルッテ事務総長は先日の会見でロシアによるウクライナ領土占領に言及し「中国も台湾に侵攻できると考えるかもしれない」と警戒感を示した。これは東北アジアの安全保障環境を根本からひっくり返す事態だ。ルッテ事務総長の発言は、ロシア・中国・北朝鮮などの全体主義勢力拡張に対抗するために、大西洋と太平洋の自由民主主義陣営が共同で対応することの必要性を訴えたのだ。しかし北朝鮮も中国もロシアも韓国のNATO首脳会議参加を強く批判してきた。

 韓国はここ数年、G7(先進7カ国)やNATOの会議や会合にたびたび招待され、国際秩序に関する議論にも加わっている。これは世界において韓国の存在感がそれだけ高まったことの証しだ。しかし今回NATO首脳会議に出席しないとなれば、その事実はたちまち世界にはっきりと認識されるだろう。米国をはじめとするNATO加盟国は李在明大統領と今の韓国政府が前の政府とは違ってロシア、中国、北朝鮮の顔色をうかがっていると判断するはずだ。

 李在明大統領は「実用主義外交」を訴えてきた。NATO首脳会議は米国のトランプ大統領や各国首脳全員と顔合わせできる貴重な機会であり、また欧州に武器や原発を輸出し、ウクライナ復興に参加する機会も得られるだろう。しかし不参加となれば韓国の共に民主党政権に対する同盟国や友好国の疑念が一層膨らむのは間違いない。国際政治においてその得と失が100対0になることなどあり得ない。NATO首脳会議出席により払うべき代償も当然あるだろう。しかし不参加による国益へのマイナスの方が間違いなくはるかに大きいはずだ。

2025/06/13 09:20
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/06/13/2025061380012.html

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