中国の海軍力強化を象徴する空母3隻すべてが戦力化する時期が迫っている。先月、最新型空母「福建」(3番艦)が西海(ソヘ、黄海)で艦載機離着陸訓練を実施し、7日には「遼寧」(1番艦)が米軍基地があるグアムを迂回しながら初めて第2列島線を突破する動きを見せた。
列島線とは、冷戦当時に米国が中国の太平洋進出を防ぐために設定した概念だ。フィリピン-台湾-沖縄をつなぐ第1列島線、グアム-サイパンをつなぐ第2列島線、ハワイ-南太平洋をつなぐ第3列島線に区分される。「遼寧」が第2列島線を突破したのは2016年12月に第1列島線を突破してから9年ぶりだ。
9日には「山東」(2番艦)が第1列島線を通過して日本の沖ノ鳥島と硫黄島付近の西太平洋海域に進出した。2隻の空母が西太平洋で同時に訓練を実施したのは初めて。台湾有事の際、グアム米軍基地の前・後方に複数の空母を配備できるという圧力であり、中国の海軍力増強速度は予想以上という評価が出ている。
16日、中国中央放送(CC-TV)は「『福建』進水3周年(17日)を迎える」とし「電磁式カタパルト(EMALS、電磁気を利用した艦載機射出装置)離陸方式を採択し、燃料と弾薬を満たして離陸でき、艦載機(戦闘機)の作戦能力を向上させた」と宣伝した。また「早期警戒機を搭載する能力を備え、艦載機の航空支援および指揮能力が大きく向上した」と伝えた。
「福建」は先月22-27日、西海の韓中暫定措置水域(PMZ)で8回目の海上訓練を実施したと、韓国軍当局が確認した。これに先立ち、中国軍事専門家の魏東旭氏は14日、CC-TVに出演し、「空母3隻の戦闘体系なら、積極的防御と主導的防御の重要な海上作戦プラットホームになる」とし、グアム米軍基地近隣の作戦を予告した。
続いて「空母3隻の交代が可能になったことで、1隻は修理、1隻は待機し、1隻は海上に機動配備して任務を遂行できる」とし「J-15艦載機のほか、次世代艦載機(ステルス戦闘機J-35)まで備えれば強力な海上防御作戦体系を構成できる」と話した。
実際、中国海軍の王学猛報道官は「『遼寧』『山東』編隊が西太平洋など海域で訓練を展開した」とし「部隊の遠洋防御および連合作戦能力を点検した」と発表した。これに先立ち日本統合幕僚監部は7日に「空母『遼寧』と駆逐艦2隻、支援艦1隻が南鳥島の南西側300キロの海上で航海中」とし、8日に「『遼寧』艦載機および艦載ヘリコプターの離着陸を確認した」と明らかにした。これはグアム北東側と日本の最東端の島の海域に現れたということで、中国空母が史上初めて第2列導線を通過したということだ。
「遼寧」は5月26日、台湾と沖縄の間の宮古海峡を通過した。その後、5月30日ごろフィリピン東部海域まで南下した。日本海上自衛隊は「遼寧」が南シナ海側に航行すると予想して追跡を中断したが、意表を突く動きを見せたのだ。台湾聯合報は「米軍に後方から『敵』が出没することもあるという初めての『恐怖』を抱かせた」と伝えた。
2025/06/17 11:20
https://japanese.joins.com/JArticle/335111